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幻冬舎文庫
村上春樹 イエローページ〈1〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 249p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784344408227
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0195

内容説明

世界二十カ国以上で翻訳されている村上春樹の小説の面白さとは何なのか?鮮烈なデビュー作『風の歌を聴け』から『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』まで四つの長編を完全読解。詳細な日数表や、図表を使い、親友の“鼠”は最初から死んでいたなど、テキストに隠された“ハルキ・コード”を丁寧に読み解いていくファン必読の書。

目次

第1章 消えてゆく者への眼差し―『風の歌を聴け』(十九日間の物語;二つの世界のキャッチボール ほか)
第2章 新しい喪失感―『1973年のピンボール』(二つの世界の関係;鼠の死の物語 ほか)
第3章 時代の物語から自我の物語へ―『羊をめぐる冒険』(空転する物語;70ミリ超大作と16ミリ映画 ほか)
第4章 内閉という主題の発見―『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(新しい時代のモラル;二つの対位の対立 ほか)
エピローグ 夢は終わり、どこへゆくのか―『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』とマクシムの崩壊

著者等紹介

加藤典洋[カトウノリヒロ]
1948年山形県生まれ。東京大学文学部仏文科卒。早稲田大学国際教養学部教授。文芸評論家。「言語表現法講義」で第十回新潮学芸賞、「敗戦後論」で第九回伊藤整文学賞、「テクストから遠く離れて」「小説の未来」で第七回桑原武夫学芸賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ころこ

36
多義的に読める村上春樹を実証的に読んでいます。その中でも、村上に対するインタビューの断片が使われています。ハードボイルドの手法は、チャンドラーの「findした時にはseekすべきものは変質している」というテーマを持ち込みたかったと答えています。単純ですが、近作までのハードボイルドのパータン化された手法はどのように読者が受け取るのか。他方で、ハードボイルドではない時の強度が無いと感じられることをどのように解釈するのか。文体とテーマが変わる作家ではないので、一連の変遷として読むのは意味のあることでしょう。2019/05/11

三代目けんこと

21
そう言えば最近、村上春樹読んでないなぁ…。

Arowana

5
自分の文学音痴ぶりを強く自覚させてくれる一冊。幾人ものゼミ生達の意見を著者が代表的に総評したすえ、上梓されたのが本書です。バイアスが見られず、推論の鋭敏さ&分量&分かりやすさ等どれも充実しており、最も説得力ある書評なのではないでしょうか?大変読ませます。2017/03/14

itosan04

4
村上春樹の初期三部作の読書感想文集として、再読しようと思って驚いた。 文庫版の解説は何と竹田青嗣だったんだね。最近なぜか竹田青嗣の哲学研究書を愛読してて、しかも本文中でも村上龍のポップス論でも竹田青嗣は言及してる。これってキルケゴールやニーチェが「罪と罰」の解説してるぐらいの驚き。たとえが変かもしれないが。2016/04/28

なつのおすすめあにめ

3
どうしても村上春樹の長編は、『羊をめぐる冒険』から批評されているイメージがある。もちろん批評がされていないからといって、その作品が素晴らしくないわけではないのですが。『風の歌を聴け』と『1973年のピンボール』を読んだ時の感動、そのメカニズムが鮮やかに解説されているので、また感動。村上春樹作品は、開かれた物語で、一つの正解はないとされています。ですので、それぞれの読書体験を大切にしたい人は読まない方がいいでしょうね。しかし、ここまで深読みされているのならば、村上春樹の正解に限りなく近づける気がしませんか?2020/06/17

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