内容説明
一九三〇年頃、大阪の蒲鉾工場で働く金俊平は、その巨漢と凶暴さで極道からも恐れられていた。女郎の八重を身請けした金俊平は彼女に逃げられ、自棄になり、職場もかわる。さらに飲み屋を営む子連れの英姫を凌辱し、強引に結婚し…。実在の父親をモデルにしたひとりの業深き男の激烈な死闘と数奇な運命を描く衝激のベストセラー。山本周五郎賞受賞作。
著者等紹介
梁石日[ヤンソギル]
1936年大阪府生まれ。主な著書に『夜を賭けて』『Z』『断層海流』(全て幻冬舎文庫)など多数。本書で第11回山本周五郎賞を受賞する。近著に自らの体験をもとにマルチ商法の巧妙なシステムと人間の欲望の本質を暴いた衝撃作『睡魔』(小社刊)がある
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感想・レビュー
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ミカママ
311
なんだかもう、しっちゃかめっちゃかだよね、この男。映画ではたけし(身長168センチ)が主人公ってことだけど、全然キャラ違うじゃん。時代のなせる技なのか、それとも在日朝鮮人の文化的背景なのか、女性が家畜並みに扱われてるのが、非常に不愉快。拒否できずに無理やり犯されて虜に...って、女性の人格はないのか?男のハーレクインか?それとも、そんなカリスマな男にまだ出会ってない、あたしが不幸なのか(笑)...モヤりながら下巻へ。2017/09/23
むーちゃん
104
読了。強烈な男。最低・最悪な男。 回りの人たち、特に奥さんの苦労は想像を絶します。 作品の総括は下巻読了後に。 2021/06/15
mariya926
95
この本は知人が引っ越す時に頂いた本の中にありましたが、本当に衝撃を受けた本です。在日韓国人の友人がいますが、在日は在日の社会があると聞きましたが、この本を読んで少し理解出来た気がします。主人公である金俊平はもう存在自体が嫌で嫌で心の中で何度周りの人に対して「逃げてー」と思ったか分かりません。しかも実在している父親がモデル…。特に英姫が可哀想で、乞食になった後、何でまた一緒に暮らしているの?ともう理解できませんでした。もう出会った人全員が不幸になるヒモであり暴力男。こんな人も存在するんだなと思いつつ読了です2017/12/19
ポルトン
65
映画版のビートたけしの印象が強すぎて原作の金修平(身長183~4cm)というのが結びつかないw 東成や生野区が舞台になってるので土地勘のある僕には割と場所が分かりやすかったw 上巻は太平洋戦争終結までが書かれているが… 金修平の生き様が凄まじ過ぎて… 人間というより野生の動物見てるみたいな感覚になりました。 下巻に進みます!2018/06/01
みゃーこ
53
凄まじいエネルギーのこもった作品だ。衝撃的過ぎる。2015/05/01