内容説明
お家取り潰し、勘定所幹部更迭を断行した勘定吟味役・荻原重秀。次いで企てたのが御法度の金銀改鋳。若き重秀の燃える意志を受け、柔術、スリ、手妻(手品)、双鉤填墨(複写術)のスペシャリストが江戸の闇を疾走する。十万両の黄金を奪い、江戸の世にハイパーインフレを引き起こせ。
著者等紹介
相場英雄[アイバヒデオ]
1967年新潟生まれ。2005年、「デフォルト債務不履行」で第二回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞。『震える牛』が読者から大きく支持され、『血の轍』は第二十六回山本周五郎賞、第十六回大藪春彦賞候補作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
77
時代物。経済小説を綱吉時代でしてみたって感じ?。ただ終わり方が・・・。2019/01/15
ゆみねこ
62
相場さんの時代小説は初めてかな?綱吉の時代に若き勘定奉行・佐渡金山奉行として財政改革に尽力した荻原重秀と、彼の配下・微行組の活躍を描いたもの。綱吉のイメージと荒井白石への見方が変わるほどのストーリー。面白く読みました。2016/05/15
masa
38
相場さんの歴史小説は史実に基づいた読みごたえのあるものだった!恥ずかしながら主人公の荻原重秀が金本位の実物貨幣から幕府の権威による信用貨幣へと導いて財政破綻を防いだ立役者とは知らなかった。(しかも300年も前に!)陽の目に当たらなくても大きな仕事をする偉人はいつの世にもいる。私欲に溺れず大義を通した生きざまに男気を感じる物語。160732016/06/19
タツ フカガワ
30
5代将軍綱吉のもと、幕府の財政立て直しのため掟破りの貨幣改鋳を断行した荻原彦次郎重康。その政策が成就するまでの暗闘をエスピオナージ風に描いた物語ですが、前に読んだ警察小説2作があまりに面白かったので、ちょっと物足りなかった。2020/04/07
吉田 光貴
25
対立の構図がしっかり描かれているストーリーは面白く史実に基づいたエンタメ作品として楽しめた。当時の経済状況に関してもう少し掘り下げてくれた方がより楽しめた気がする。2016/07/04