内容説明
広告代理店に勤務する梨田雅之は、異色の新人として噂になっていた。博打で培った冷徹な判断力、明日なき今日を生きる自らへの虚無感、破滅すれすれの勝負を渇望する生来の資質。そんな梨田は、他部署の部長から内密の仕事を任せられるようになる。だが、派閥争いと出世競争に明け暮れる勤め人生活への倦怠の虫が蠢きはじめてもいた。恋人の水穂はモデルとして新聞に写真が掲載され、その華やかさを増していく。一方で、人事部に所属する大企業の社長令嬢も梨田への思いを強めていく。周囲が目まぐるしく変化していくなか、彼は自分の行く末をどこに見定めるのか?自伝的ギャンブル小説「病葉流れて」シリーズ、急展開の第五弾。
著者等紹介
白川道[シラカワトオル]
1945年北京生まれ。一橋大学卒業後、様々な職を経て、80年代バブル期に株の世界に飛び込み、大いなる栄光と挫折を味わう。94年、自身の体験を十二分に生かした『流星たちの宴』で衝撃のデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Book Lover Mr.Garakuta
7
近代小説。面白い。2019/07/07
myunclek
6
これで終わりかと思っていたけれど、まだ通過点でした。中だるみで緊張感が欠けたままページ数が少なくなったので、どう終わるのかと心配してたのですが…。今回は、女たらしの話で終始したようでチョッピり不満。次作を期待しましょう。実は「崩れる日なにおもう 病葉流れて3」読んでなかったことが本日、判明(涙)2013/11/16
lefty58
3
病葉流れての久しぶりの新作だと思って読み始めて気付いたが、本書の前作の「身を捨ててこそ」を読んでいなかった。しかしそのまま若干の後悔を抱きながら読了。昔のシリーズと比較するとドロドロした部分がほとんど無く、あっさりとした恋愛ものかな、といった印象。ちょっと拍子抜けした感もあるが、それでも次作を読みたい気分にさせられた。それより飛ばした方が先かな。2013/12/10
reading
3
一気に読みました。身を捨ててこその方が内容的にはあったような気がするが、楽しかった。続編も期待。2013/03/19
Rie
3
シリーズを初めから読んでみたけど…梨田はどこに流れつくのだろう。砂押との出会いがあってさらに話が膨らんだようにかんじた。麻雀なんて全くわからないのに話に引き込まれてしまう。誰しも一度は梨田に通ずる部分があるのでは。2013/02/28