内容説明
あの時、日本人はなぜ「絶望」を「希望」に変えることができたのか?すべてを引き受けて、一歩踏み出す。秘蔵のエピソードを交えて綴る渡辺流人生論の集大成。
目次
はじめに かき消された戦後史
敗戦の日
この戦争は負ける
さまざまな噂
早く来い、アメリカ軍
進駐軍が現れる
空腹の日々
戦争に負けたんだからね
闇米の買い出し
中学へすすむ〔ほか〕
著者等紹介
渡辺淳一[ワタナベジュンイチ]
1933年北海道生まれ。医学博士。58年札幌医科大学医学部卒業後、母校の整形外科医として医療にたずさわるかたわら小説を執筆。作品は初期の医学を題材としたものから、歴史、伝記的小説、男と女の本質に迫る恋愛小説と多彩で、医学的な人間認識をもとに、華麗な現代ロマンを描く作家として、常に文壇の第一線で活躍している。70年『光と影』で直木賞受賞。80年に『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で吉川英治文学賞を、2003年には菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Humbaba
9
日本は戦争によってすべてを失った.そして,そこから復興して今の日本を作り上げた.生きるのに必死であり,必死にならなければ生きられなかった時代.そこで必死になったからこそ,今の日本がある.2012/07/03
冬木楼 fuyukirou
3
渡辺淳一氏が小学生だった敗戦時から医者を辞めて小説家になるところまでの回想。以前日経に連載していた「私の履歴書」にかぶる部分も多かったがおもしろく読んだ。似たような体験をした人が皆小説家になるわけではないのだから、著者にとって「物書き」は天職だったのだろうと思う。2015/06/06
乱読家 護る会支持!
2
作家、渡辺淳一氏の戦中、戦後の回想エッセイ。そういえは、死んだじいちゃんが、満州のお話をよく聞かせてくれました。なぜか嫌っていたソ連。なぜかバカにしていた朝鮮人。なぜか褒め称えられたアメリカ人。ボクの中で、かなり薄れた記憶が、少しだけ蘇ってきました。2012/06/15
leapyear
1
幸福論というより、自伝的な話。面白いエッセイを書かれるから期待したけど、趣向が違った。2012/05/03
れお
0
祖母から薦められ借りて読んだ本。作者自身の人生と作者が見てきた戦時から安保闘争が書かれている。過去における米軍基地とその周辺との関係性も描かれており、今現在問題となっている基地問題について考えさせられる一冊であった。2014/01/25