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大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇

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  • サイズ B6判/ページ数 254p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784344016026
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

4年間の同棲生活から結婚に至った大木信義と咲は、五反田のデパートの屋上で地獄旅行のパンフレットを手にする。いつもは近所でだらだらするばかりの二人だが、たまには旅行でもしようと一泊二日の地獄観光へ出かけた。猫を植えて育てる猫畑やペットボトルの風車、ビーフシチューの温泉に名産甘エビなど地獄独特の風物に戸惑うものの、同時にめくるめく非日常にワクワクするのだった。奇妙な旅路は、馴れ合いになっていたお互いの意識を少しずつ変えていくが―。でも、いったい「地獄」って何なんだ!?不思議でおかしくて、なぜかせつない前田ワールドの真骨頂。

著者等紹介

前田司郎[マエダシロウ]
1977年東京都生まれ。劇作家、演出家、俳優、小説家。和光大学人文学部文学科在学中に劇団「五反田団」を旗揚げ。2005年『愛でもない青春でもない旅立たない』(講談社)で小説家デビュー。同作が野間文芸新人賞候補となる。2006年、『恋愛の解体と北区の滅亡』(講談社)が野間文芸新人賞、三島由紀夫賞候補、2007年、『グレート生活アドベンチャー』(新潮社)が芥川賞候補に。2008年には、戯曲「生きてるものはいないのか」で岸田國士戯曲賞受賞。同年、『誰かが手を、握っているような気がしてならない』(講談社)が三島由紀夫賞候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

そうたそ

40
★★★☆☆ よくわからないけど面白い。新婚大木家の地獄旅行の様子が描かれるのだが、地獄へ行くというのに、さも当たり前のように物事が淡々と進んでいくのが面白い。いざ始まってからも、地獄という異世界にもかかわらず、語り口は日常の延長線上のようであり、新婚夫婦についてもそんな感じ。ツッコミどころだって満載なのだが、夫婦二人が華麗にスルーしていくのだから、読者だって細かいところは気にせずゆるりゆるりと楽しむのが最適だろう。行ってる場所はとんでもないところなのに、何故か日常感とともにほんわかさせられる良作。2016/10/12

ゆにこ

40
初読み作家さん。とても不思議でよくわからない世界なんだけど、ほのぼのしていて笑ってしまう。映画になっているらしいですね。気になる。2014/10/15

カズ

11
一文が長くて、正直最初は読みづらくて挫折しそう…。こんな地獄がっても、いいんじゃない?って感じなぐらい変わった発想だったので、旅行中は面白かった。特に、ビーフシチュー温泉は、肌がつやつやになるんだから、女性に大人気になるだろ!夫婦の大切さを思い出すにはこんな地獄の旅行もいいかもね。水川あさみ、竹野内豊で映画化なってるので、ぜひ観に行きたいな2011/06/01

三柴ゆよし

10
五反田とうきゅう屋上のひょうたん池から行く地獄の旅(一泊二食付き。2万2000円)。猫の生る畑。地獄蜜柑。赤い人と青い人。ホテルいいじま屋。ビーフシチュー温泉。名産地獄甘エビ……。シュールで、且それ以上に牧歌的な地獄の描写も面白すぎるが、会話のテンポの良さと、地に足のついてない三人称の脱力感が半端ない。このフワフワ感は以前にどこかで……。と思っていたら、いま急にユリーカした。いがらしみきおの『ぼのぼの』だ。うーん、やっぱ似てない?2010/05/05

ペロ松

8
家の炊飯ジャーが無くなったのをきっかけに地獄へ旅行に行くことになった新婚夫婦のお話。地獄と言っても昔話にあるような苦しい事だらけの場所ではなく、現世とはちょっとだけ何かがズレていて、死後の世界という雰囲気はゼロ(最後にそれらしい話は出てくるが)のおかしな地獄(これがまた楽しい)。地獄旅行を通して色んな事に気付いたり旅行を心の底から楽しんでいる夫婦の様子は読んでてとても和んだ。2010/09/16

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