昭和三十年代主義―もう成長しない日本

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昭和三十年代主義―もう成長しない日本

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  • サイズ B6判/ページ数 410p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784344014916
  • NDC分類 304
  • Cコード C0095

内容説明

「成長」が魅力を失ったいま、日本人が希求すべき生き方、それが昭和三十年代主義である―。日本人の希望と、日本が未来に生きる道を提示する、鬼才・浅羽通明の書き下ろし傑作評論。

目次

第1部 昭和三十年代主義とは何か(流行と批判―山崎貴監督「ALWAYS 三丁目の夕日」から考える;嗜好と思想―原恵一監督「クレヨンしんちゃん嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」から考える;協働とやりがい―橋本治『虹のヲルゴオル』ほかから考える;下町と恋愛―野村孝監督「いつでも夢を」から考える;消費と定常型社会―佐伯啓思『成長経済の終焉』から考える)
第2部 折り返し点を過ぎた日本(上昇志向とマスコミ幻想―宮部みゆき『模倣犯』から考える(前篇)
定番とキャラ社会―宮部みゆき『模倣犯』から考える(後篇)
地元つながりと普通―宮藤官九郎「木更津キャッツアイ」シリーズから考える
祝祭と共同体―岩本仁志監督「明日があるさ THE MOVIE」から考える
分際と演戯―山崎貴監督「ALWAYS 続・三丁目の夕日」&筒井康隆『美藝公』から考える)

著者等紹介

浅羽通明[アサバミチアキ]
1959年、神奈川県生まれ。「みえない大学本舗」主宰。著述業。81年、早稲田大学法学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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阿部義彦

14
幻冬舎からの書き下ろし単行本。ブックオフで発見。評論として面白かったです。話をわかり易くするための援用のテキスト(例、ALWAYS三丁目の夕日、クレヨンしんちゃん、宮部みゆきの模倣犯、橋本治、小林信彦の著作、あしたがあるさ the movie、木更津キャッツアイ、ラストには筒井康隆の美藝公まで!)がなかなか興味深い上に私の好きな作品、(勿論文学です。)が多く非常に示唆に飛んだ論考でした。2008年発行で、本の中では安倍政権から福田政権にバトンタッチした所ですが、今安倍政権が復活してのこの体たらくで愕然です2017/01/28

ぽん教授(非実在系)

3
昭和三十年代礼賛のレトロブームを「オトナ帝国の逆襲」「ALWAYS三丁目の夕日」「模倣犯」などの作品の思想を見ていく中で取り上げ、短期的利益による経済成長主義・今どきのイカす文化へのアンチテーゼとしてのユートピアを見出す。今でいうところのマイルドヤンキー論につながる。問いの鋭さは非常に切れ味が良く面白いが、税収はどうするのだろうとか、アメリカはリーマンショックの中でも日本より成長率が良いなどと考えると着地点は果たしてそうなのかという感じはある。2016/07/13

トックン

3
不覚にも「モーレツ大人帝国の逆襲」のあらすじ説明で涙ぐんでしまった。成長し続けることの不可能性に気づいた我々日本人が目指すべきは,少しの「貧しさ」を孕んだ昭和三十年代的な世界ではないか,と提案する著者だが,これは決して昭和三十年代の世界に逆戻りしようというのではない。 ユートピアとして過去の昭和30年代をでっち上げようとする「昭和三十年代主義」。(あくまでも昭和三十年代「趣味」ではなく)2013/11/18

おちょなん

3
みんながほどほどに豊かな時代っていうのは、長い歴史からみるとそれこそが異常事態だったのだ。これからは普通に食うのに困るし、食うために働く(自己実現とか生きがいとかのためでなく)。そういうことを教えてくれる本だった。時代を生き抜く指南書として、読んどいたほうがいいと思います!

ステビア

2
『模倣犯』読んでみようと思った(笑)内容は浅羽先生らしく地に足のついたもの。2013/12/27

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