内容説明
ここ二十年来、著者が個人ニューズレターほかに発表してきた論考、エッセイのうち、いわゆる「天下国家」を扱ったものから自撰した選集。近くは映画「太陽」、皇嗣問題から、遡っては平成改元期の天皇報道までに到る、天皇制関連の文章、主に十七年まえの湾岸戦争とここ数年来のイラク戦争へ対する日本国内の反戦論議を批評した文章、二〇〇一年に起こったいわゆる「九・一一」テロに関連した文章、「靖国」「日韓関係」「日本国憲法」など、現在、日本という国家のかたちを考える際に、中心的とされるだろう問題を扱った論考、世界と日本の現在を歴史のなかでより全体的に捉えようとした文章を収録。
目次
第1部 まだ天皇が必要なあなたへ(誰かすめろぎを人間とさせ奉りしか―ソクーロフ「太陽」の告発;日本の中心で愛をさけんだ皇子―近代天皇制よ、安らかに眠れ;今こそ天皇制を無視する強さを―「太平記」が解禁された日;天皇報道のディテールを読む―平成はここから始まった)
第2部 戦争が平成の奥に立っていた(反戦の姿勢―慣れないことは止めておけ;反戦の技法1―ロシアン・ルーレット計画始末;反戦と職能2―劇場アニメ「王立宇宙軍―オネアミスの翼」を観る)
第3部 同時多発テロの夜が明けて(テロルの技法―携帯電話を持った個兵の時代;激震はデニーズのメニューに及び―テロルとスウィーツ;替え歌「聖戦の朝」;テロルの曾孫よ、ぼくたちは―軍歌「アメリカ爆撃」と世界システム;今ぞ顧みる「富嶽」の幻)
第4部 日本国を構想する(靖国と歴史認識―日本は革命戦士顕彰碑を屹立させうるか?;アジアと歴史認識―韓流SF映画「ロスト・メモリーズ」を観る;日本国憲法1―まず「前文を削除」という改正を!;日本国憲法2―「国籍離脱の自由」から考える反戦平和;協働体日本の方へ―佐藤優『国家の罠』を読む)
第5部 治国平天下を展望する(帝国への逆襲―アメリカの戦争と日本の態度;祝祭と定常化へ向かう日本―小泉純一郎政権とライブドア騒動;もはや戦後ではない―そして戦前でも戦中でもない)
著者等紹介
浅羽通明[アサバミチアキ]
1959年、神奈川県生まれ。「みえない大学本舗」主宰。著述業、法政大学非常勤講師。81年、早稲田大学法学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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