名もなき毒

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  • サイズ B6判/ページ数 489p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784344012141
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

★第41回吉川英治文学賞受賞作
連続無差別殺人事件。あらゆる場所に「毒」は潜む。
誰が、何故、何のために? そして、事件は、それぞれの”名もなき”人生を炙り出す──。

内容説明

どこにいたって、怖いものや汚いものには遭遇する。それが生きることだ。財閥企業で社内報を編集する杉村三郎は、トラブルを起こした女性アシスタントの身上調査のため、私立探偵・北見のもとを訪れる。そこで出会ったのは、連続無差別毒殺事件で祖父を亡くしたという女子高生だった。

著者等紹介

宮部みゆき[ミヤベミユキ]
1960年東京都生まれ。87年「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理新人賞を受賞しデビュー。92年「龍は眠る」で日本推理作家協会賞、同年「本所深川ふしぎ草紙」で吉川英治文学新人賞、93年「火車」で山本周五郎賞、98年「理由」で直木賞、2002年「模倣犯」で司馬遼太郎賞、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ちょこまーぶる

197
面白かった。歯車がちょっとずれてしまっただけで、巻き込まれてしまう悲劇が描かれていて恐ろしい思いを抱きながら読んだ。また、何気なく普通に生活を送っていたとしても、一つ一つのアクシデントが積み重なったり、自分以外から自分に向かってくるパワーによって、それらが化学反応をすることで、強大な権力をもつ者になってしまったり、猛毒になってしまったりするという事を痛いほど感じてしまった。それにしても、私たちは解毒剤と言うものを持っているんだろうか?2014/03/10

修一郎

170
誰か SOMEBODY の続編の形ではあるけれど、ストーリーは別。社会派系なんだが,問題提起で終わってしまったところが,ちょっとスッキリせず。ストーリーは面白いし、原田いずみや、外立(はしたて)くんなど重たいキャラがたくさん出てくるので続編が作れそう,ってペテロの葬列がそうか…続く‥2013/12/08

文庫フリーク@灯れ松明の火

169
「こんなにも複雑で面倒な世の中を、他人様に迷惑をかけることもなく、時には人に親切にしたり、一緒に暮らしている人を喜ばせたり、小さくても世の中の役にたつことをしたりして、まっとうに生き抜いている』これを立派な人間と言う北見。それこそが普通と言い切る杉村。どちらも正しい。『誰か』再読して読み始めたので、お人好し杉村の《己の分を知る》バランス感覚が好ましい。それでいて自分自身にも毒が内包されている事を承知している。毒が噴出することは無いが、毒に変質しそうな嫉みや悪意の感情は私にもある。今更ながらタイトルが秀逸2012/01/31

PSV

116
別に毒に名前があろうとなかろうと、その姿が見えようと見えまいと、確実に人を、人生を、社会を侵していくものなのだなぁ、と感じた。というか、編集部の女性のアヴァンギャルド、というか度を超えた虚言癖には驚きも呆れも通り越して、ただただ哀れ。嘘、ってファクタが、うまく毒と結びついていた気がするのだが、それにしても毒殺事件の方はあんま印象に残らなかった。  ★★★☆☆2012/07/18

ゆのん

115
【杉村三郎シリーズ2作目】タイトルにある『毒』が色々な所にかかっていて流石宮部みゆき、上手いっ!と感じた。シリーズ1作目では順風満帆な主人公に対してあまり良い印象が無かったが、今回は親しみが湧いてきた。とても優しく、草食系に思える杉村も妻子の事になると流石。今回も悲しい終わり方で読了後も少々しんみり気味ですが、3作目が楽しみになるラストだった。382019/02/03

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