パレード

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  • サイズ B6判/ページ数 282p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784344001558
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

いつの時代も現実は厳しい!でも相応しい自分を演じれば、そこは誰もが入れる天国になる。先の見えない五人の微妙な2LDK共同生活。

著者等紹介

吉田修一[ヨシダシュウイチ]
1968年長崎県生まれ。法政大学卒業。97年「最後の息子」で第84回文学界新人賞を受賞。同作が第117回芥川賞候補作となる
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しろいるか

82
ルームシェアする5人の男女の物語。思わずクスリと笑ってしまうほど会話は軽妙なのに、なぜか5人全員に「見せてない裏面」を感じずにはいられない。物語の構成からみてどうもあの人が事件に関わっているのではないかとは想像がついたものの、その結末は意外だった。それでいて彼らならそうくるだろうなと納得できた。だって共同生活の極意とは、場に適応できる「この部屋用の私」を各自が用意すること。・・そして「害」が自らに及ばない限り深入りしないこと、なのだから。2010/08/18

ゆみねこ

79
2LDKのマンションで同居する5人の若者たち。不思議な関係で恋愛関係も成立しない。最後の章で思わぬ展開になり、驚愕。うーん、感想書きにくい。2015/12/18

R

63
不思議な共同生活をする男女を描いた小説でした。話としては、それぞれが、各々の人生を生きて、それなりに考えて、ふわふわゆるゆると依存したり、共存したり、若者らしい葛藤や、しょーもない人間関係やとごたまぜにしつつ生きている風景を描いていました。物語の芯がどこにあったか、読み終わってもうまく噛み砕けない感じで、ひとつの事件が最期を飾るのだけども、それが理解されていたのか、そうではなかったのか、わからない感じが全体にたゆたう感じの不思議な小説でした。2017/09/25

めしいらず

54
うすら寒い。目に見える人との関係性の、何と儚く朧げなことか。相手の言動から本音と建前とを計ることはホントは出来なくて、飽くまで自分の都合で捉えたいように捉えていただけ。関係が良いと感じていれば善意に、逆なら悪意に。誰だって身近な人からは特に悪意を感じたくないから、せっせと仲良しごっこに勤しむ。顔色を窺うことばかり上手くなる。自分がそうであることすら判らなくなる。終盤、表面を取り繕っているだけの関係に気付き、目に映る一見楽しげな光景がガラリと一変するくだりが見事。きっと自分だってこのうすら寒さの中にいる。2013/12/13

だんたろう

45
マンションの一室で共同生活を送る若者のそれぞれの生き様が続く、それがパレードなのか。パレードというよりも、デパートのようだった。誰でも人に知られたくない素顔はあるわけで、逆に知って欲しい素顔もある。そんな微妙な感情や距離感をうまく描いている。あまり押しつけがましくないので、最後まで読んでなるほどと頷いた。人との距離の取り方は難しいし、自分の本音と建て前の距離も難しい。見た目以上に人は悩んでいることを改めて感じさせる。一見軽そうで、実は重い作品。読後感は祭りの後の寂しさ。2010/08/06

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