内容説明
英雄か、テロリストか?日本赤軍・最高幹部の母から、わが娘へ。本書は重信房子が警視庁留置場で書き続けた、法務局宛の上申書である。今、赤裸々に明かされる感動の手記。
目次
私の歩んできた道
アラブでの闘いと生活
夏・ベイルート―イスラエル軍の侵攻(1982年の日記より)
岡本同志、捕虜交換で奪還
あなたが生まれて
育児が私を変える
嵐のなかの恋愛
世界から日本へ、日本から世界へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
James Hayashi
36
自分も若くはないが、学生運動など経験しておらず、著者がなさんとしていた事、パレスチナ問題などあまり興味がない。イメージとしてテロリストであり、社会悪であるという事。最近知ったが、アメリカでは犯罪者が該当の事件について書く事は出版界で禁止されているという。この本も直には触れていないが、彼女自身の半生、何をしてきたかを物語っているので出版する意義のない作品。幻冬社と著者が何をいわんとしているのか理解しかねる作品。2019/02/27
gtn
15
父の哲学、正義感、そして母性愛を兼ね備えている。これだけあれば、本人の本望どおり民衆のために尽くせただろうに、唯一思想を誤った。2019/10/17
ぼちぼちいこか
6
日本赤軍のリーダーである重信房子がなぜ子供を産むことを決めたのか知りたかった。イスラエルからブラックリストに挙げられ、日本始め西側諸国から国際指名手配犯の彼女が子供を産むことは危険極まりない行為だ。この本は彼女が日本に帰国し、逮捕され監獄の中で書いた手記なので、読みづらい事もあるが、自分が中東情勢に疎いので知らない事が多々あり、戸惑った。日本赤軍がやったことは肯定できないが今は武器をとるべきではないと書いた彼女の思想の変化がうかがえた。イスラエルとパレスチナは今、最悪の状態にある。彼女はどう思うのか。2014/09/05
がんぞ
6
「民族主義者の限界」とか「日本だけでは革命は起きない、日和見主義は嫌だ」とか言って、この人は『あさま山荘事件』の約二年前に出国し、ベイルートで「国際革命拠点」を作るとして軍事訓練してた。「テルアビブ空港乱射事件」が起きたとき、要注意とされていた彼女をこっそり出国させた同級生、仲良くつき合って支援も多少してくれたベイルートの「日本人会」はさぞ後悔したことだろう。旅客機をハイジャックしたり金融機関をおそったりで、世界革命ができると本当に思っていたのか?彼女の父は元・左翼で「物知りにだけはなるな」と言っていた。2013/02/20
hiro
4
実に爽やかな読後感だった。革命の理論や実績以前に彼女は何よりも人への愛から始まっていたのだなと・・・家族、隣人、仲間たちへの愛。そしてパレスチナの人々への愛。この本の中で彼女は「私たちはアラブでは英雄でも日本ではテロリスト」と書いているが、彼女はまさに革命家・・・パレスチナでともに戦ったハイジャックの女王ライラ・ハドリは今パレスチナの国会議員だが重信房子は独房の中という現実落差も・・・彼女は2000年に大阪に潜伏中に逮捕され拘留中にこの本を娘の為に出版。娘は日本国籍を取得している。2027年刑期終了予定。2020/02/16