内容説明
本書は、ロボットをおもな対象とした機構学の入門書である。機構学は最も歴史のある工学の一つであるが、近年その内容は大きく変化してきた。変化の一つは、機構の解析や設計においてコンピュータの利用が標準的な手段になったことに起因する。手元のコンピュータで非線形の連立方程式が手軽に解けるようになり、作図や幾何学的考察に基づいたそれまでの設計解析手法は、コンピュータ利用を前提にした手法へと代わった。優れた機能を持つ汎用の機構解析ソフトウェアや数式処理ソフトウェアも安価に利用できるようになった。もう一つの変化は、ロボットに代表される多自由度の立体機構が一般に使われるようになった点である。これに伴い、座標変換行列を用いた解析手法の修得が機構学学習における新たな重要課題となった。本書は、大学の機械工学系学生を対象に、このような変化に対応した新しい機構学のテキストを目指したものである。機構学とロボット機構の基礎をできるだけわかりやすく丁寧に説明するよう努めた。
目次
1 機構学の基礎
2 平面リンク機構の種類と特徴
3 平面リンク機構の解析
4 歯車機構
5 ロボットの機構
6 ロボットの運動解析
著者等紹介
鈴森康一[スズモリコウイチ]
1982年横浜国立大学工学部卒業。1984年横浜国立大学大学院工学研究科修士課程修了。1984年株式会社東芝入社。同社、総合研究所および研究開発センター勤務(2001年退職)。1990年横浜国立大学大学院工学研究科博士課程修了、工学博士。1995年~2001年横浜国立大学工学部非常勤講師。1999年~2001年財団法人マイクロマシンセンター。2001年岡山大学教授、現在に至る
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