出版社内容情報
「8、7、6……」健太の視線が床に落ちていく。ギブアップか、健太。顔をあげろ。ファイティングポーズをとれ。ぼくは健太とのしりとりをやめたくなかった。ずっとずっと健太と競い合っていたかった――。
内容説明
対戦がはじまった。小春、勇人、ぼくの順。「みそしる」小春が“る”で攻めてきた。「ルーペ」勇人はまだ余裕だ。「ペンシル」ぼくも“る”攻めだ。二周まわって、小春を“れ”のつく言葉で追いこむと、うっかり、「レモ…」と声に出し、「ン」をがまんして、「レモネード」とつなげた。「おおっ」会場から、歓声があがった。ぼくたちのしりとり大作戦!
著者等紹介
新井けいこ[アライケイコ]
東京都生まれ。1994年に『キャンバスには家族の絵を』でデビュー。その他作品多数。日本児童文学者協会会員
はせがわはっち[ハセガワハッチ]
東大阪市生まれ。近畿大学卒業後、病院勤務を経て、調剤薬局に勤務。社会人になってアートスクールに通い、絵本づくりを学ぶ。2017年『さらじいさん』(ブロンズ新社)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chiaki
30
おぉ!意外なしりとりの奥深さに、やってみたくなること間違いなしの1冊。そして辞書読みの効用にも興味が湧く♪「る・ぬ・ず」攻め、面白い!恭平と健太との友情もいい距離感。恭平と家族とのやりとりも素敵でした。思いがけず友だちを下に見ていたことに気づかされながらも、最後には強力なライバルになるという展開も面白かったです。読みやすいので中学年~楽しめそう。2020/03/21
れっつ
22
恭平は、健太と良き友、良き好敵手。健太の苦手分野を助けるのは友情の証だと思っていたのに、ある時小春から、恭平は健太を下に見てるんじゃない?と言われて心がザワつく。学校のPTA行事で、勝ち抜きの「しりとり大会」をすることになり、恭平は健太と戦いたくて、2人で辞書読み特訓から始める…。家族や友達を巻き込みながら、目標に向かって、様々に楽しんで努力する恭平の熱量と意識の網羅に感服。しりとり大会までの日々と大会当日の描写に引き込まれ、読んでいて興奮して力が入った。たかがしりとり、されどしりとり。奥深い…。2018/12/03
☆よいこ
22
《やりかた》〇各クラスでくじ引きをして、5、6人のグループを作る。〇各グループに係がついてタイムキーパーをする。〇もち時間は10秒、それまでに答えが出ない時は失格。〇決勝戦は一体一の対戦。《ルール》①【ん】で終わる言葉を使ったら負け。②スキー、スター等のあとは【ー】の前の音、スキーの【キ】、スターの【タ】から始まる言葉とする。③校舎のように小さい文字で終わる言葉は校舎の【や】から始まる言葉とする。④失格した子の次の子は、自分の好きな言葉からしりとりを再開する。⑤試合中に一度出た言葉は使えない。2018/06/14
いろ
14
学年行事小3は しりとり大会に決定! 恭平は健太を誘って辞書読みで大会に備え始める!!というお話。ライバル(好敵手)って何?も絡めながら,しりとり攻略法も盛りだくさんで面白く読めた。10歳男児もしりとり大好きで,同じように「る対策」「る攻め」をしたり,「国名しりとり」を楽しんだりをよくしているので,とても興味を持って読めたみたい。駄菓子屋さんで「しりとり買物」も面白かった。自分の覚えていないところで「ありがとう」と思ってもらえる行為をお互いいつの間にかしている事が,いい関係につながっていて素敵。2018/03/31
みつばちい
14
恭平はちょっと抜けてる健太と仲良し。前にある出来事で健太に助けられてから、健太が困ってたら自分が助けると決めている。ある時学年でしりとり大会が行われることになって、特訓として辞書を読むことを始めた二人。そのアプローチ法は2人それぞれ違っていて、でもお互いのおかげで新しい世界が広がって行く。さて迎えた本番は、、、? しりとりを本気でやるとこういうことに気をつければよいのか!などなかなか興味深い!読んだことない感じの内容で、面白かったです。2018/03/20