内容説明
いたいほど晴れあがった空、こころさわがせる雨、しずかな雪のふる音、木々の葉におどるひかりの風、あのころとおなじように、時間がゆきすぎる。きみと過ごした時間は、もうもどってこない。いま、ふと思う。あの時のことを。画家の飼い猫、チャッピーと家族との日々をあたたかなまなざしで描く。
著者等紹介
ささめやゆき[ササメヤユキ]
1943年東京生まれ。『ガドルフの百合』で小学館絵画賞受賞。『真幸くあらば』で講談社出版文化賞さしえ賞、『あしたうちにねこがくるの』で日本絵本賞、『彼岸花はきつねのかんざし』で赤い鳥さし絵賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
107
【猫本を読もう 読書会】 ささめやゆきさんの愛猫チャッピーと家族との日々が、静かな時間の流れのなかで描かれています。しずかに降り続ける雪を夜の窓からじっと見つめるチャッピーの姿.....何を想うのだろう......私のところにいた猫たちも物思いにふけることがあったのだろうか....「ほんとうは、そばにいるだけでよかったのだ。それが幸せだったのだ。」猫たちはどう思っていたのだろう?幸せだったのかな?なにか物足りなさに物思いにふけるようなことはなかったと願わずにはいられません。2019/02/20
ぶち
83
(再読) 読友さんのレビューを拝見していたら、また読みたくなっちゃいました。 ささめやゆきさんの素敵な絵を見ていると、日々の暮らしのなかで猫が感じた楽しいことも、怖いことも、美味しいものも、みんな家族に伝えてくれているんだなと思えてきます。それは、一緒にいてくれた猫からのたくさんの贈り物なんです。そばにいてくれるだけで、幸せになれる贈り物だったのです。そんな猫たちに私も充分なお返しができたことを願わずにはいられません。2024/01/19
yomineko@猫と共に生きる
61
漁師さんのうちて飼われていた猫のチャッピー。家族一同で可愛がっていた。だけど、、、だけどね、、、😢😢😢もうすぐ愛猫アリョーシャ🌈の一周忌。長生きしても夭折しても猫がいなくなるのは、身を切られる思い・・・2024/02/03
seacalf
52
偶然にも妻が小学校の頃から暮らしていた猫と同じ名前だったので思わず手に取った。妻の実家に遊びに行っていた頃は既に高齢のおばあちゃん猫だったが、今でもチャッピーの思い出話はよく聞かせて貰う。本編ではささめやさんのチャッピーとの日常のシーンを子猫時代から振り返りながら描かれる。夜、ひとりで絵を描いているとじっと見てきたり、二ヶ月ぶりにパリから帰ると転げ落ちるように降りてきたり、人差し指を向けると何かを確かめるように頭を押し付けたり。様々な仕草に微笑ましく頁をめくる度に自分たちそれぞれの猫たちとの思い出が蘇る。2022/01/26
たまきら
39
読み友さんの感想を読んで。愛猫の目を見ながら看取った時に、彼女の瞳孔がゆっくりと色を変え宇宙空間のような水晶玉のようなものになった驚きを追体験しました。とても辛い思いを最後にしたとしても、それまで過ごしたあの数十年の日々はかけがえのないものだったー愛する猫との時間を振り返る良い機会をもらえました。2024/03/19