内容説明
なみだの穴は、泣くのをがまんしている人のところに流れてくるんだ。なみだを流させるためにね―心がすっきり軽くなる。坪田譲治文学賞作家、なみだにまつわる6つの物語。
著者等紹介
まはら三桃[マハラミト]
1966年、福岡県北九州市生まれ。2005年、講談社児童文学新人賞佳作を受賞。『鉄のしぶきがはねる』で2011年度坪田譲治文学賞を受賞。鹿児島児童文学者の会「あしべ」同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mocha
97
まはらさんの児童書。泣くのをガマンしている人の前に突然現れる“穴”。見つめていると、胸の奥深くから涙があふれてあふれて…。小学生もおじいちゃんも、心の澱を洗い流すように悲しみを昇華させていく。読んでるこちらまですがすがしい気持ちになった。気は優しくて力持ちなストロング幸三さんがステキだ。2017/02/19
chimako
78
おもいっきり泣くとスッキリする事、大人は結構知っている。けれど、そんなに泣くことはない。人前でも声を出して泣けたのはいつ頃までだったろう。悲しいとき、不安なとき、悔しいとき、寂しいとき、何もかもがうまく行かないとき……人は気づかないけれど本当は泣きたかったりする。そんなとき現れる「なみだの穴」見たとたんに涙が溢れて止まらなくなる。わんわん泣く。えーんえーん泣く。そのきっかけは誰かの優しい言葉や思いがけない励まし。心がささくれるように疲れた時には泣ける本が癒してくれる。それもたぶんなみだの穴。2015/07/31
BlueBerry
73
泣くとストレス解消になると良いますから、泣く事を促すと言う意味では良い発想だと思います。児童書なので大人には若干物足りないかと思います。ページ数も少ないし、行数も少ないのでちょっとした時間があれば読めると思うので気が向いたら読んでみても良いかもしれない。 2014/12/09
ぶんこ
63
泣くのを我慢している人の元に現れる「なみだの穴」。最近本を読んだ時にしか泣かないと気付く。悔しかったり悲しかったりで泣きたかった頃を思い出す。確かに「なみだの穴」を見つけたらスッキリするだろうけど、人前っていうのは恥ずかしい。最後の幸三さんのように、一人で思いっきり泣いてスッキリしたい。色々な人の泣きたい気持ちとスッキリが伝わってきて、なみだの物語なのに読後感は爽やかでした。2016/11/02
ゆみねこ
63
泣くことが出来たら、すっきりと気持ちが変わることが出来る。でも泣けない、そんなときになみだの穴が現れたら、どんなに素敵でしょう。大人が読んでもじんわりと感動できますね。2016/10/06