出版社内容情報
児童文学作家プロイスラーがドイツに伝わる昔話を集め、自分なりに語り直した。シリーズ第1巻は宝さがしの話13話。貧しいおかみさんがおおみそかの真夜中、岩山のあたりにさしかかるとほらあなの口がひらき宝物が……。他、12話をおさめます。 小学校中学年~
著者等紹介
プロイスラー,オトフリート[プロイスラー,オトフリート][Preussler,Otfried]
1923年チェコのボヘミア地方のリベレツという町にドイツ人の子として生まれる。第二次世界大戦に一九歳でドイツ軍に入隊、五年間ソビエト軍の補虜となる。1949年から、西ドイツ南部のシュロスベルグで小学校の教師をしながら創作をはじめる。1970年からは作家活動に専念、現代ドイツの代表的児童文学作家
佐々木田鶴子[ササキタズコ]
香川県に生まれる。早稲田大学文学部を卒業後、ドイツに六年間滞在。帰国後、M.エンデをはじめとする多数のドイツ児童文学や絵本の翻訳を手がける。東京都在住
スズキコージ[スズキコージ]
1948年、静岡県浜北市生まれ。二〇歳のとき、新宿歌舞伎町の路上で初個展を開く。1987年に「エンソくんきしゃにのる」(福音館書店)で小学館絵画賞、1989年「やまのディスコ」(架空社)で絵本にっぽん賞を受賞。東京都在住
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
帽子を編みます
49
ドイツの昔話、プロイスラーに挿し絵はスズキコージ、手に取りたくなります。作者の語りかけから程よい長さのお話が13篇。宝さがしとは言え、ワクワク感はなくて、埋めた人の呪いが込められて、残念な結末なものがほとんどでした。うっかり子どもを置いてけぼりにしてなんとか取り返した話、青いガウンの女の人はマリア様。ワラキア人の不思議な話、ベニスからやって来た鉱夫たち、ルーマニアのあたりのラテン系の人々とのこと。ここでもルーマニアに意識が飛びます。少し怖くてゾクゾクする話、不思議な挿し絵とともに楽しみました。2023/08/30
あたびー
31
#日本怪奇幻想読者クラブ プロイスラーがドイツ各地で収集された「宝さがし」にまつわる民話に手を入れて、より物語として良い形に作り上げた13篇。すべてお宝にまつわる話だけれども、メデタシメデタシもあり、ハイソレマデヨもあります。語りかけるような文調が素晴らしくて、読み聞かせに最適なのでは?と思います。子供って少し怖いお話が好きですし、お宝が絡んでいるとなればなおさらですものね。「チューリンゲンの近くのリーベンシュタイン村のそばに」など地名が必ず入っているのもワクワクさせる要素になっていると思います。2021/10/06
星落秋風五丈原
15
児童文学作家プロイスラーがドイツに伝わる昔話を集め、自分なりに語り直した。シリーズ第1巻は宝さがしの話13話。貧しいおかみさんがおおみそかの真夜中、岩山のあたりにさしかかるとほらあなの口がひらき宝物が。他、12話。2004/02/15
翠埜もぐら
13
プロイスラーの昔話計3冊。まとめて感想を。生活全てをキリスト教に沿っていたヨーロッパでも、一般民衆はキリスト教以前の土着の信仰を自分たちでは気が付いていなくとも色濃く残し、語り継いできたのだと思います。橋の上で「夢」を取り換える話や山中に眠る財宝を手に入れたり入れられなかったり。日本にも似たような話がありますね。子供向けの為、多分にご教訓的な話になるのも全国共通。艶っぽい話もなかったし。地名や人名をはっきり出しているので民話集のようでもありました。あの世とこの世の間に「水」があるのも全国共通なんだなぁ2021/11/02
おはなし会 芽ぶっく
10
プロイスラ―のエッセンスを加えた昔話が13編。お話の前の前置きをしっかり読むとなお面白さが増します。【宝さがし】がテーマ『レーゲンスブルクの橋の上で/みつけて、消えた宝物/いちばんだいじなものを、忘れるな/黒いにわとり/神様がお決めになった物/荒野の王の墓/十二人のむすこたち/ワラキア人のお話/ひよこを生む金の大杯/定めのとおりに/海賊の宝物/外にでたがった宝物/わたしじゃない、わたしじゃない』 みつけて、消えた宝物 と いちばんだいじなものを、忘れるな は途中の展開が同じであれ?と思いました。2020/03/18