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殺人者の涙

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  • サイズ B6判/ページ数 224p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784338144285
  • NDC分類 K953
  • Cコード C8397

内容説明

荒れ果てた大地。生命の吐息のきこえぬところ。ひっそりと生きる家族がいた。そこへ、人の目を逃れるように、天使という名の男がやってきた。―やがて旅人は、口をつぐみ、窓の外を吹きすさぶ風の音に耳をすます。

著者等紹介

ボンドゥ,アン=ロール[ボンドゥ,アンロール][Bondoux,Anne‐Laure]
1971年生まれ。パリ近郊に暮らす。十歳ごろから物語を書きはじめ、物語を書くという情熱はずっと失わずにいた。1996年にバヤール社に入って児童文学を再発見、2000年からは長編小説の執筆に専念する

伏見操[フシミミサオ]
1970年生まれ。東京に暮らす。21歳の時、フランスに1年間留学。洋書絵本卸、ラジオ番組制作会社、餃子店勤務などを経て、英語、フランス語の児童書の翻訳を始める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

201
物語の舞台は南米チリの最南端の街Punta Arenasからさらに南の文字通り最果ての地。ただし、原文はフランス語で書かれ、パリで出版されている。本書は、児童文学(とはいっても小学校高学年~中学生向きくらい)に分類されているが、だとすると、このタイトル(原題通りの直訳)で売れるか心配だ。また、物語の終盤をもっと劇的に描くか、あるいは淡々と描くかは評価の分かれそうなところ。最後の1文は、しみじみとした感動が湧きあがってくる。そして、アンヘリーナの名は物語を再び甦らせるのだ。2012/08/26

小夜風

21
【図書館】南米チリの最南端の荒野にひっそりと暮らす家族がいた。ある日そこへアンヘル(天使)という名の殺人者が訪れる…。薄氷の上を歩いていくような危うさと、ささやかな希望の後に訪れる絶望に、何度も打ちのめされながら読みました。自分の歳も知らず、文字の読み書きも出来ないパオロの両親は、パオロに全く愛情を与えていなかったようで、アンヘルが来る以前の生活がどのようなものだったのか想像するのも辛いです。パオロを救ったのは確かにアンヘルだったのだと思いました。無知ゆえの残酷さが胸に迫ります。2014/12/10

Gemi

19
『殺人者の涙』と言うタイトルに好奇心をくすぐられた。南米チリの最南端、荒れ果てた大地に暮らす家族の元にアンヘル・アレグリアと言う男がやってきた。名前の意味が『天使・歓喜』。そこで出会ってしまった少年パオロ。暗く閉塞感のある物語を、この純真無垢なパオロの存在が浄化してくれる。樵のリカルドが好きな『変化』の話にほっこりしていたら最後に切なくなる。自分達は正義を守るため世の中の悪と戦い素晴らしい事をしたと思っているエゴがやりきれない。児童文学ということでサッと読めてしまうが読み応え十分、濃密な内容だった。良書。2015/12/21

シッダ@涅槃

13
友人に薦められるまま読んだのだが、平易な文体に豊かな比喩表現が乗っていて、呼吸するようにすんなり読めた。タイトルに反してミステリーではないし、あまーい話ではない。むしろ厳しい現実と人生の皮肉が詰まっている。ただラストちょっちほっこりしたエンディングが待っているというだけだ。もしこれから読まれる方がいたら、巻末の作者紹介は読み終わってから見るように。ちょっとしたネタバレが書いてある。2015/04/15

midorino

8
チリの最南端、風の吹き荒ぶ荒野で両親と共に暮らす少年。人の寄り付かないこの場所に、ある日凶悪な殺人犯がやってくる。少年は両親を殺した殺人犯と一緒に過ごすことになり、、。チリが舞台の物語だが、作者はパリの人だったと読み終わってから知った。少年の瞳が印象に残るお話だった。2022/07/29

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