出版社内容情報
ベルリンの街から脱走し、故郷ボヘミアの森へむかうオオカミの群れ。家出中のリオは、その群れからはぐれた子オオカミのペーターと、それをかくまう初老の男マックスと出会い、ペーターを群れに戻すべく旅に出ることに…。壁の時代の歴史を背景に、自由とは何かを模索した冒険小説。●第51回産経児童出版文化賞●第20回坪田譲治文学賞 中学生~
内容説明
オオカミに国境はない。まして、人と人の心のつながりを断ち切る壁など存在しない。故郷の森をめざす子オオカミ。それを助ける少年の心の軌跡を描く物語。
著者等紹介
那須田淳[ナスダジュン]
1959年静岡県浜松市に生まれる。早稲田大学卒。「鬼ケ島通信」同人。1995年からドイツのベルリン市に在住
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感想・レビュー
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takaC
62
先が気になって結果的に一気読みになった。良い話だった。『ペーターという名のオオカミ』なんて題名はわかりにくいから、”Tagebuch von Ryo” のまんまで良かったんじゃないか。2016/05/17
ちょん
16
いいオオカミのお話、ドイツの勉強にもなりました。ティーン向けっぽい。視点がちょこちょこ代わって途中オオカミ視点のところがあって楽しかったです。最後にもっかいオオカミ視点欲しかったなぁ🐺2023/05/20
のこ
16
先日読んだ『星空ロック』のもう少し上の年齢向け。より詳しくドイツの歴史や戦争について語られています。「わしは呪っておった。神をではなく、同じ人間を」という老人の言葉が頭から離れません■『星空ロック』もすごく良かったのですがこちらもものすごく良かった…!子供達がオオカミを守るところと、最後のペーターの遠吠えのときには涙が止まらなかった。読後感も良いです。ドイツ料理も美味しそう…!2014/02/19
ヒラP@ehon.gohon
13
ドイツが舞台なのに、日本人少年と日系ハーフの少年が主人公。 事故で逃げ出したオオカミたちから、はぐれた子どもオオカミを群れに戻そうとする大冒険は、親との距離感がある少年たちの心の冒険と融合されて、スケールの大きな共感を産んでいます。 東西に分断されたドイツが、人の一生に与えた大きな試練が物語を深くしています。 オオカミたちを守ろうとする人々の輪。 ラストのオオカミたちの国境越えは感動的でした。2016/03/26
星落秋風五丈原
12
オオカミに国境はない。まして、人と人の心のつながりを断ち切る壁など存在しない。 坪田譲治文学賞受賞作品。ドイツを舞台に、群れからはぐれた一頭の子オオカミを、故郷の森に逃げてゆく群れに合流させるべく協力しあう少年達の心の軌跡を描く物語。 2006/08/30