出版社内容情報
林業は、危険で過酷でしんどい……というイメージですが、今、日本各地の山では若者たちが奮闘しています。その先頭を切り、東京の檜原村で新しい林業を切り拓き続ける林業会社「東京チェンソーズ」に密着しました。
内容説明
林業って、「キケンで、過酷で、しんどそう」…?それでも、今、30年後の未来を見つめながら、それぞれの志を胸に東京の森で働く“現代のきこり”がいました。「東京チェンソーズ」を徹底取材。
目次
第1章 森を育てる(冬―道づくりと伐採;春―植栽;夏―下刈り;秋―根払い;冬―枝打ち;冬―間伐;春―搬出)
第2章 木を届ける
第3章 チェンソーズの仲間たち(「ワクワクしながら、新しい林業を切りひらく」チェンソーズの代表・青木亮輔さん;「林業は“LIFE”、生活産業です」チェンソーズの発信番長・木田正人さん;「日々幸せでいることが、いちばんたいせつ」チェンソーズの女性社員・飯塚潤子さん)
著者等紹介
菅聖子[スガセイコ]
自由学園卒業。編集者、ライターとして活躍中。『世界を救うパンの缶詰』(ほるぷ出版)で第65回産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
64
子供向けノンフィクション。「現代のきこり」林業会社、東京チェンソーズの仕事について書かれる。日本の国土を守るために必要な仕事だということはわかっていても、林業は稼げない危険大変のイメージが強く、廃れていくんだろうなと感じていた。だけど若い会社が頑張っている。作業の大変さもあるだろうけど、それ以上に森で働く楽しさが伝わってきた。女性社員もいるそうです▽進化してる。2021/10/15
けんとまん1007
56
久しぶりに、東京チェンソーズの名前を眼にした。山をつくる。その通り、いや、それ以上だと思う。山をつくることは、海にもつながるし、もっと広く考えると、全てにつながる。書かれている基本的な作業のうち、下草刈り、枝打ち、除伐は経験しているので、その意味合いはわかる。注意すべきことも多いし、危険を予知することの重要性もわかる。除伐の難しさもわかる。そんな作業を通して、何を考えるのかという部分が伝わってくる。10年、100年という単位でものごとを考える視点と価値観、哲学。あらゆる分野で求められている思うのだが。2021/09/25
マリリン
39
興味があったけれど、会社設立の経緯などは知らなかった。考え方に共感できたし、自然に対する愛情と情熱を感じた。探検部があったからという理由で大学を選択しメコン川の源流から河口までボートで川下りをし、出版社に就職したももの地下足袋をはく仕事がしたいという思いから、林業を選んだ代表者の青木さんと共に会社を立ち上げた方達の経歴は興味深い。木を無駄なく全て使いたいとの思いから作る様々な木製品等、林業の大変さも楽しさも知った。特につみきは欲しくなる。ITやAI世界から逆行しても、就業している皆さんの活気を感じた。2021/12/15
あじ
32
【児童書】所狭しと木が生えていればいい山と認識してしまいがちですが、実際には人の手が入る山がいい山なんですよね。植栽、下刈り、枝打ちに間伐……日常的に面倒をみながら、30年40年後の伐採を視野に入れる林業の全容を知ることが出来ました。若手で構成された「東京チェンソーズ」のメンバーが最初から林業に関わってきた訳ではなく、社会で様々な経験を重ねてから“ここ”にたどり着いたストーリーは、職業の選択に締め切りはないのだと教えてくれます。2021/04/05
風香
17
実は東京都には森林面積が36パーセントもあるという。東京都檜原村の林業会社「東京チェンソーズ」を取材し、現代の木こりの仕事に迫る。木の単価が下落している中で利益を上げる為に、森林整備や育林のみならず、工夫して様々な事業を展開している事に驚く。また、社員の方々がやり甲斐を感じ、楽しんでいる様子も伝わってくる。長い年月をかけて自然と向き合い、誰かを幸せにする素晴らしい仕事だと感じた。 第一次産業である林業を知る為にも最適な一冊。2021/08/31