出版社内容情報
「苦海浄土」の作者と「水俣の図」の画家の協力で生まれた絵本。しらぬい海に死んでいった生きものたちのうめき声が、せつせつと、読む人の心を打ちます。 小学校低学年~高学年
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yomineko@猫と共に生きる
65
水俣病の恐ろしさ。むごさ。ある日チッソという会社がやってきた・・・有機水銀をたれ流し、人々の食べ物に被害をもたらし結果的に人間を殺した。。。2023/04/26
たまきら
30
石牟礼道子さん文。こどもには正直読みにくいかもしれないけれど、水俣への気持ちがぎっしりつまった呪術的なことばはこのまま演劇作品に使えそうです。何年か前に訪れた水俣は美しかった。またゆっくり行ってみたいです。2020/11/18
Shoko
23
奪われた水俣の美しい自然、海や山、花や動物たち。連綿と受け継がれてきた海と共にあった人々の暮らしが、突然、毒によって理不尽に奪われてしまった。極彩色で描かれた夢のような水俣の様子が目に焼き付いた。最後のページからは不知火に散った多くの命の声が聞こえてくるようだった。読友さんレビューにより知った記録のえほんシリーズ。後々まで伝えていかなければならないことが描かれていました。2019/03/13
ベル@bell-zou
21
しゅうりりえんえん しゅうりりえんえん…。厳かで美しかった祈りは、悲しみと虚しさを帯び、色を失った不知火の海へ響く。チッソ会社がやってきて灰色になったみなまた。魚も 貝も 狐も 猫も 鳥も そして家族も奪われた。しゅうりりえんえん しゅうりりえんえん…。[石牟礼道子 文、丸木俊・位里 絵/記録のえほん②~小峰書店] https://youtu.be/TTElfj2rhNs2018/11/23
おはなし会 芽ぶっく
17
熊本県にある水俣は、清らかな水が湧き、豊かな海の恵みがあり、夜には不知火が見られる美しいところでした。ところが開発でやってきた会社は工場の廃水を海に流し汚染、汚染した魚を食べた鳥、猫、人間の赤ちゃんまで…。たくさんの人々・生き物が水俣病で苦しみ死んでいったのです。自然との共生を訴えた絵本です。 【第32回 小学館児童出版文化賞】2020/01/10