出版社内容情報
北海道の風蓮湖には,毎年たくさんの白鳥がわたってくる。その白鳥たちの世話をして30年の工藤さんの生きざまをえがいたえほん。 小学校低学年~中学年
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒラP@ehon.gohon
18
自分の生活を白鳥の保護のためになげうった、工藤多助さんの実話絵本です。 北方領土から引き上げて移り住んだ、風蓮湖という北海道奥地で開拓生活をしていた工藤さんは、どうして白鳥に魅せられたのでしょうか。 優しさというよりも鬼気迫る形相で、冬の厳しさに立ち向かう工藤さん迫力には圧倒されました。 2019/04/19
みさどん
16
厳しい寒さの中に生きる白鳥を救おうと力を尽くした工藤さんの話。冬鳥でも凍り付く湖の寒さは鬼気迫るものがあった。淡々と一人称で語られる話に圧倒された。こんな方がいらっしゃったんだと感動する。こんな強さ、辛さ、現代っ子に伝わるだろうか。2019/06/30
ヒラP@ehon.gohon
14
実話の重厚さと井口文秀さんの絵が、絵本の中に壮大なドキュメンタリーを溢れさせています。お話の素晴らしさは第一にして、井口文秀さんの作風も魅力的です。2020/12/31
遠い日
11
北海道の風蓮湖は白鳥が渡ってくる湖。工藤多助さんの30年以上の白鳥との関わりを、ドキュメンタリー風に描いたお話だ。傷ついたり、アクシデントに見舞われた白鳥たちの保護に、一心に取り組んだ工藤さん。工藤さん一家の暮らしもままならない頃から、取り憑かれたように世話をしたようすに胸が熱くなる。工藤さん自身がタラク島を戦後に追われた経験から、故郷へ帰る白鳥たちのひたむきさに魅かれるところがあったのだろう。作者の井口さんが言われるように、「慈愛」としか言いようがない白鳥への思いに頭が下がる。2017/03/13
ツキノ
9
図書館の書庫の絵本・児童書を読もうキャンペーン・230 「ふうれんこ」とは風蓮湖、根室半島にあり白鳥が飛来する。そこで「はくちょうじいさん」と呼ばれ、白鳥の保護に尽力した実在する人のおはなし。本人が語り部になり、そのきっかけや苦労、喜びを語る。絵がとてもいい。あとがきあり。2017/12/29