感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
53
この作品は、まず、階級意識の強さとそこから抜け出したいのに抜け出せない青年の苦しみといった、近代的な苦悩が描かれている。さらに、アラベラは奔放な性の象徴、誰とも結婚したがらないスウは精神世界の象徴として描かれている。ジュードは精神世界に生きようと願いながらも性の誘惑に負けてアラベラと結婚、その後、精神世界に生きるスウと出会う。ジュードが幸せになれそうになるたびに現れては彼を不幸に陥れるアラベラは性の誘惑がそれだけ多いことを表しているのだろうが、それにしても、繰り返し出現するアラベラは、悪夢のようだ。2017/05/20