内容説明
社会的に妥当な「死の定義」とは?先端医療における生と死の社会的合意とは何かを、医療と社会の境界領域から鋭く問いかける。
目次
1 序論「人」の始まりと終わりの論理―問題のありか(脳と魂―アメリカ社会でなされたこと;関係の中の「人格」―日本社会のためらい;感情・作法・倫理―研究の方向;本書の構成)
2 葬送儀礼の現在―伝統的死生観の検証(葬式―ムラと葬祭産業;墓と供養―イエと、死後のあり方の自由度の検証)
3 献体と臓器提供―死の拠り所の、遺体への固着と拡散(献体―新しい身の処し方;臓器提供―日本の現状と、意識の動向;ギフト・オブ・ライフ―臓器移植の文化的特殊性;「死の看取り」としての移植医療)
4 「脳死」のインパクト―制度の問題(多元主義に基づく絞り込み―アメリカ社会でなされたこと・続;「権威」と「合意」の筋違い―日本社会の混迷の源)
5 結論 先端医療問題における社会的・文化的要因