内容説明
講義ノート/読書ノート/発見・発想ノートの作り方から、よい論文の書き方まで、豊富な経験に裏打ちされた手法を伝授。社会学の基礎や思考法が、驚くほどよく理解できる。学問の入口で、まず読んでおきたい1冊。
目次
学問的ヒットを打つために
社会学の牽引力と社会学的想像力
環境社会学―新幹線公害の事例から
組織社会学
社会計画論
日本社会の特徴―森有正の示唆
中範囲の社会学理論
ヴェーバーの方法論と合理性への視点
マルクスと物象化論
どのように社会調査をおこなったらよいか
卒業論文と大学院進学
教える側から見た社会学
著者等紹介
舩橋晴俊[フナバシハルトシ]
法政大学社会学部教授。1948年生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程中退。2009年8月より法政大学サステイナビリティ研究教育機構機構長。専門は、環協社会学、社会計画論、組織社会学、社会学基礎理論。日本社会学会、環境社会学会会員。日本学術会議連携会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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なーちゃま
3
社会学の学び方を説く序盤と、社会学の基本的な考え方の例示として社会学の大家の著作を引きながら理論を紹介する中盤、実証研究としてフィールドワークやゼミのやり方を語る終盤の三部に分かれる。正直、中盤は要るのか?要るとしてももっと初学者向けに書いたらどうなのか?と思ったのが正直な感想。学部4年間で社会学やってきた人間じゃないと、中盤の理解は難しい。一方、序盤と終盤の社会学の勉強/研究の方法論は、もっともっと早く知りたかった。2022/12/28
ぽん教授(非実在系)
2
理論と実証のバランスをとりながら、実証から理論構築できるようにすれば社会学はできていく、という実際に著者が学生をゼミで指導した経験に基づいて説明している。知識や理論の解説をする賞も基本的に実証と理論とを重ね合わせており読者にこの思考パターンを定着させようという努力が見える。しかし、果たして実証を行う前にどう仮説を考えるのか、には著者は新書レベルの多読や教科書・講座本、古典を読む以外にあまりうまく説明できていない。以上の欠点はあるが、十分に読者を鍛えるようにできているテキストである。2016/07/28
Nさん
1
私は「環境社会学」という学問体系から社会学への接近を行なっているのだが、一般的に社会学はその射程の広さ故に、捉えづらい漠然とした印象を持ちやすい学問だと思う。本書は環境社会学を専門とする著者からのアドバイスだ。それ故に、この一冊だけで全ての社会学の領域に触れることはできない。しかし著者の領域を例に提示された社会学の学び方(勉強から研究へ!社会調査の大切さ、中範囲の理論の構築など)は社会学に限らず、社会科学全般の学びに有意なヒントを与えてくれる。現場(現地)感覚あっての学問。社会学への更なる接近を図りたい!2018/03/30
ななん
0
学生時代、船橋先生の授業を受けようとして難しさから挫折したものです。社会人になり気になって購入しました。今では何度も繰り返しこの本を読んでいます。社会学の手法やウェーバーなどメジャーどころの概要が掴める作りです。先生もお亡くなりになり、授業を受けなかったのか、強く後悔をしています。しかし、この本を繰り返し読むごとに先生の伝えたかったこと。人間への強い感受性。学徒への強い愛情を感じます。いわゆる古典的名著とは異なりますが、僕はこの本で生き方を変えられました。社会学に興味がある人には、とても良い本です。2013/10/13