内容説明
十時間に及ぶ肉声の交錯。こころと言葉の起源、日本人とタブー、団塊世代の評価と未来、意味の牢獄、愛の階級闘争、理想の育児…。
目次
1 精神の起源をめぐって(「こころ」をどう描くか;文字以前の言葉・言葉以前の言葉;「いる」ことの保障;「本当の自分」はどこに;自然史の必然と自己治療)
2 タブーの構造(精神医学の立場・文学の立場;正常と異常の境界;タブーの構造;天皇制の精神療法論;禁止・抑圧・自己規制;一身にして二世を生きる;総中流化社会―新しい対応が求められる兆し?)
3 世代を超えて(重い言葉・軽い言葉;団塊世代の評点;〈意味の牢獄〉から抜け出る;愛の階級闘争;家庭の崩壊・育児の可能性;ベビーブーマーの育ちと老後;子どもの時間を切らないこと;若い世代に ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たりらりらん
6
“doing”(すること)に対して褒めることは多いけど、“being”(いること)を褒めることはあまりない、という北山さんの指摘に感動。ウィニコットの理論を学び、臨床経験の豊富な北山さんならではの言葉だなと感じる。1993年に行われている対談をまとめたものなので、少し時代性を感じさせる表現もあるが、そこがまたもの悲しい気分にさせる。総中流社会と呼ばれていている世界、今では総うつ社会とか、中流層から脱落してしまった人をめぐる議論が展開されている世の中になっていますよ。タイムマシンに乗った気分。2011/10/28
pokochi1977
1
今読むといい。2008/07/29
R.D
0
ラカンとウィニコットを比較している部分が興味深い。