内容説明
死とセックスを発明して複雑化してきた我々は、どこへ向かおうとしているのか。アメーバからニンゲンまでを語った、痛快無比の生物学。
目次
第1部 死の中の生(人はなぜ死をおそれるのか;もし生物が死ななかったら;人の寿命は三八億年?;死はセックスと同時に出現した能力である;寿命を延ばすことはできるのだろうか;あなたが死ぬまでに殺す生命の数は?;かけがえのないあなたに宿るかけがえのある命)
第2部 構造としての生命(ゲノムは構造化されたシステムとして動く;ハエと哺乳類の遺伝子は同じである;生物多様性を神を抜きにして説明;遺伝病も遺伝子を変えずに環境で治すことができる;世の中も生物も構造を見ないと実相は見えない)
著者等紹介
池田清彦[イケダキヨヒコ]
1947年東京生まれ。東京教育大学理学部卒。東京都立大学大学院博士課程修了(生物学専攻)。山梨大学教育人間科学部教授等を経て、早稲田大学国際教養学部教授。専攻は理論生物学、構造主義生物学
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感想・レビュー
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Emperor
15
遺伝子学とか生物学とか、けっこう難しかったけど、普段触れることのない学問について新しい知見を得た気がしてラッキー♪「都市は自然を隠ぺいしている」などなど。深夜のテンションで読むと割と戦えます(笑)2016/07/31
さき@merry
7
中学生の時読んで、遺伝子系の学科に行くきっかけになった本。命はかけがえのないもの、と学校で公式のように教えられていたあの頃の自分にとって〝かけがえのない命はない〟という文が衝撃的だった。死ぬのは生きる能力を失ったからではなく、これも次に繋ぐためにプログラムされた能力だから。かけがえのある命をチェーンのひとかけらのように繋ぐことが、生きる意味ということ。なんてすごい仕組みが備わってるんだ!と魅了されてしまった。生命科学に興味を持つのに良い本。詳しい人には少し物足りないかも。
うおづあい
1
私たちには死ぬことは切っても切れない運命がある。でも細胞としてみると、私たちの体の中には寿命がない細胞があることに驚き。また死ぬ能力があるおかげで、私たちは自我というものを持てているような気がした。そして私たちはたくさんの生き物を殺しながら生きていると同時に、たくさんの生き物と共存していることを自覚した。2018/06/23
FK
0
勉強になった。よく命を大切にと教育者や政治家が言うが、そのうさんくさ さの理由がよくわかった。これまでのもやもやしながらも、ばーんと批判できなかったのが、これですっきりした。 2006/12/07
めい
0
生物の進化を通して死生観を見ると、納得できることが増えた気がする。「かけがえのある人間として人並みに生きる事が大切」というところが心に残った。2013/11/21