内容説明
駅前のトイレで寝泊まりする女子高生、車上生活を強いられる保育園児、朝食を求めて保健室に行列する小学生…大人たちからハンディを背負わされた子どもに今、何が起きているのか。
目次
第1章 高校編―お金なくても学びたい(オブラート食べ空腹しのぐ;駅のトイレで寝泊まり、ホームレスみたい ほか)
第2章 中学校編―貧困の連鎖断ち切れ(子どもに掛けるお金ない;就学援助、整わぬ申請書類 ほか)
第3章 小学校編―保健室からのSOS(朝食を求めて行列;雨の日、サンダルで登校 ほか)
第4章 保育編―幼い命育む砦に(孫だけでも保育園に泊めて;この子は親に二度捨てられる ほか)
著者等紹介
保坂渉[ホサカワタル]
1979年に共同通信社入社。社会部を経て、編集委員室編集委員
池谷孝司[イケタニタカシ]
1988年に共同通信社入社。大阪社会部次長などを経て、社会部次長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スノーマン
40
私は父子家庭を経て高校生の時に父を亡くした。近所、友達、親戚、学校の先生の厚意もしくはおせっかいに救われた。お金が全てではないけど、お金があれば何とかなることが世の中にはたくさんある。逆に言えば、お金がなくても子供達が安心して暮らせる世の中にしてほしい。ご飯を食べる、布団で寝る、お風呂に入る、そして勉強する。皆が平等にそれが出来る世の中にしてほしい。2016/06/09
吾亦紅
31
子どもの貧困が社会問題となって10年近く経つが、社会制度は、貧困家庭とそうでない家庭を断絶するような仕組みに向かっていないだろうか。階層化が進み、ますます格差を産んでいないだろうか。 この本に出てくる子どもたちは今、社会人になり、あるいは新しい家庭を築いているかもしれない。幸せを願わずにはいられない。貧困についてのニュースや新聞記事をしっかり追っていこうと思った。無関心ではいられない。 奔走している保健室の先生の言葉が胸に迫る。「貧困のために大事な子ども時代を奪ってはいけない」2019/03/02
ねこまんま
31
義務教育の子供が学校で使うものが無償じゃないなんておかしくないですか?給食も無償にして、ちゃんと税金で補えばいい。子供は国の宝って言う割には自己責任論ばかりで、そもそも子供に責任はないのに。行政にやる気があれば待機児童問題はなくなる。「小学校に待機児童はいないでしょ。」の一言に納得。子供の環境改善のためなら少々税金が増えてもいいとさえ思っているんだが、日本は高齢者にお金を使い過ぎだと思うわ。2016/10/31
fu
27
リストラ、失業、病気、離婚、低所得等のいくつかの要因が重なることで、家庭が崩壊し、子どもは学校に通うことすらできないほどの貧困に陥る。家庭の崩壊は育児放棄と繋がりやすく、教育現場にその分負担がのしかかる。親の事情はともかく、子どもが等しく教育を受けられる権利の支援体制を整える必要があるのではないだろうか。2015/10/24
鈴
26
よその国を助けている場合なのか?と思ってしまうくらい、貧困に苦しんでいる子供たちが日本にもたくさんいるのか。金持ちの家庭に生まれるか、貧乏の家庭に生まれるか、かなりの差があるだろうことはわかっていたが、こんなにもひどいとは。少子化にもなるよなー。2015/02/08