内容説明
会社を愛するが故に、意を決して、上司の不正を「社内コンプライアンス制度」で通報した社員に待っていたのは、組織ぐるみの陰湿な報復だった…。「辞めたら負けだ」。己を奮い立たせ、現役のまま、オリンパスの悪しき企業風土と5年間闘い続け、逆転勝訴を勝ち取った男の不屈の記録。
目次
第1章 営業マンに転身して“開花”
第2章 顧客の怒りと上司の恫喝の狭間で…
第3章 内部通報に対する過酷な報復
第4章 裁判闘争へ、一審敗訴の裏側
第5章 執念の逆転勝訴
著者等紹介
浜田正晴[ハマダマサハル]
1960年、兵庫県生まれ。1981年、国立津山工業高等専門学校機械工学科卒。同年、日立電子株式会社(現・株式会社日立国際電気)入社。1985年、オリンパス光学工業株式会社(現・オリンパス株式会社)入社。2007年、上司の不正を、社内コンプライアンスヘルプライン制度を使って内部通報する。ところがコンプライアンス室長は、氏名などを無断漏洩し、上司の知るところとなり、まったく経験のないセクションに3回も異動させられ、組織的報復を受け続ける。2008年、現役社員のまま、オリンパスと上司を相手に配転命令の無効と損害賠償請求を東京地裁に起こす(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mazda
16
カメラや医療をやっている会社は、どこもこんな感じなのかも知れませんね‥。ブラック感満載ですね。2018/07/07
きむロワイヤル
3
今、巷を騒がさせているオリンパス事件に関する本・・・と思いきや、同じオリンパスでも、コンプライアンス違反に関して会社側と訴訟をしている社員の書いた告発本であった。タイミング的にも便乗なのだが、こんな事件を起こす会社ならではのエキセントリックな内容で、これだけされて会社を辞めない著者は流石と言うほかない。会社相手に喧嘩を売るとこうなるということと、民事裁判のことにはちょっと詳しくなるかもしれない。2012/05/06
いいちゃん07
3
内部告発 パワハラ 隠ぺい コンプライアンス 著者の方の勇気に脱帽です。 会社に所属しながら、その会社を相手取ることは並大抵ではないでしょう。 ちょうどオリンパス社の粉飾決算が新聞記事になる直前に、同社上層部のモラルの低さやパワハラなどの問題が大きくなった時期ですね。 本書の内容中、事実の描写よりも、上司からの恫喝や生産性のない無意味な仕事の連続に耐える著者の姿勢と意欲の根源が知りたいです。2017/05/13
貧家ピー
3
取引先エンジニアの引き抜きに反対し、社内コンプライアンス制度を利用して上司を糾弾した所、閑職に追い込まれ、会社を訴えた著者。2審高裁で逆転勝訴するまでの闘いが描かれている。その後をネット検索すると、最高裁で勝訴が確定するも、オリンパス社の不当な扱いは継続中で、それに対する裁判も継続中のようだ。ひどい会社である。著者のこの闘いのモチベーションはどこからくるのか、不思議ですらある。2014/11/10
リョウ
2
オリンパスにおいて上司の不正を内部通報したことにより報復人事を受けた浜田氏が、会社に対して闘いを挑んだ手記。ここまでの仕打ちを受けながらもめげることなく闘い続けた強さに感服するとともに、オリンパスという会社がどうしようもないところまで堕ちていたことに愕然とした。ただ、敵対する立場の人間に対して必要以上に攻撃的になってしまっているのではないかという印象も受けた。2012/09/17