内容説明
最果ての地から聖地まで…、世界でいちばんの風を探しに。そこには思いもよらない出来事があったり、出逢いがあったり、風にまつわるドラマが待っていた。シーナ氏のライフワークでもある「見にいく」シリーズ「風」編。
目次
からっ風とわけあり女
国境の海、ユーリーさんのトランプ
雪風のなかで笛を吹く人
チベットの西、象の口川と石の城
かなしい熱風
海氷の風が目に痛い
メコンの陶酔
風が嫌いなパタゴニアのヨット
北極のユニコーン
極寒のタイガで過ごす
極限高地の夜
なんでもでっかい熱風アマゾン
鰺ヶ沢にて
鮫狩りの島
パンタナールの牛追い
シルクロードのナマズ
タルチェンでの日々
バラナシの死者のかおり
海風のなかに生きるドンダイ漁
大草原にはいろんな風が吹いていた
カラブランを待ちながら
風の国パタゴニア
著者等紹介
椎名誠[シイナマコト]
1944年東京都生まれ。1979年より小説や写真の作家活動に入る。これまでの著書は300冊を超える(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takeapple
17
椎名さんが今まで行った世界各地(もちろん日本も)への旅での風をテーマにした写真とエッセイ、もしかしたら短編小説なのかなというものもあるが、で綴った作品。ご自分でお撮りになったモノクロ写真と抑えた筆致の文がとてもいい雰囲気を出している。今までの探検記等で触れているのは椎名さんの経験のほんの一部分なんだろう。軽い気持ちで読み始めたが私の中では椎名誠の傑作と言える一冊。2018/06/26
やまゆ
13
世界は広い。くだらないことに一喜一憂していることがバカバカしくなる。自然と戦って生きていくことは、自然と共存していることの現れ。敵にも味方にもなり得る風がすごく感じられる。2016/07/18
ダンスにホン!ころりん
11
20110820初版1刷発行 131027再読 発行日をみて「旅する文学館」に通っている時に読んだことを思い出す。椎名さんにサインをしていただいた本を持っている。まだ椎名さんの本を読み初めて間もない頃だったなぁ。今回は地図を検索しながら旅をしている気分で読んだ。たまらなく好きな一冊2013/10/27
ジュースの素
9
辺境の旅づくしのシーナさんの、今までの旅の総集編。 短い文にしたいくつもの旅が詰まっている。彼の旅本は大抵読んで来たが、不思議の事にイスラム圏はあまり無い。そんな中でも彼が一番気に入っている旅先はパタゴニアと、タクラマカン砂漠、そしてモンゴルだ。彼の旅には及ばないが、私もタクラマカンやモンゴルは何度も出かけたので、真髄のようなものが分かる。シーナの旅本は永遠だ。2020/03/01
ようこ
7
最初の章を読んで、椎名誠はいつもながら、ペンの力で特定できそうな相手を容赦なく攻撃する様子に不快になりかけた。が、読み進むうちにこの人は生物としての感覚でものを書く人なんだということがわかってきて、自分では絶対行かない場所に行き、やらないだろうことをやる様子が痛快に思えてきた。2011/12/13