「謎」の解像度(レゾリューション)―ウェブ時代の本格ミステリ

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「謎」の解像度(レゾリューション)―ウェブ時代の本格ミステリ

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  • サイズ B6判/ページ数 309p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784334975395
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0095

内容説明

現代を生きる私たちにとって、本格ミステリはなぜこんなにも面白いのか。進化しつづけるミステリ作家たちの創作技法に、気鋭の文芸評論家が挑む。

目次

プロローグ 基本感情
1 場所
2 人・アイデンティティ
3 システム・世界
4 人とシステム
エピローグ 「青春」「紙の本」以後

著者等紹介

円堂都司昭[エンドウトシアキ]
文芸評論家。1963年千葉県生まれ。早稲田大学第二文学部東洋文化専修卒。「シングル・ルームとテーマパーク 綾辻行人『館』論」で第6回創元推理評論賞を受賞。ミステリを中心とした文芸評論・レビューのほかに、音楽ライターとしても執筆活動を展開している気鋭(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

藤月はな(灯れ松明の火)

16
今まで読んできた本が多く、取り上げられていて嬉しかったです。一般の本ではマニアックに見られ、本格ミステリーでは異端されて蔑ろにされているような20世紀末~21世紀初頭に登場してきたミステリーが本格を換骨奪胎、またはコピーしているだけではなくキャラクター性、ロンハーや検索エンジン導入、多重人格探偵サイコ、アイデンティティの曖昧さ、オウム真理教、個室など時代の変化も反映しているという視点が面白かったです。大きな括りではなく、バラバラだった個々に注目し、関連付けることを媒介し、現在を模索する新本格ミステリー評論2012/05/17

しろ

9
☆7 やっぱ評論って面白い。現役の有名ミステリ作家(綾辻、有栖川や米澤、道尾など)について語られた20編。各作品の繋がりを捉える緻密な論理性と、ドストエフスキーやロンドンハーツなどと絡める意外性とが上手く両立している評論は面白い。比較的自由に語ってたと思うけど、最後にはしっかりまとめてきた。よく聞くことだが、大きな物語は死んだのだ。そして物語だけでなく、人間の精神、社会、それらの中に違うモノが、価値観が並列に混在しているのが「今」なのだ。だから読み手の解像度によって作品の価値が変わってくる。ってことかな?2012/02/27

いちはじめ

5
個別の作家論から浮かび上がる新本格以降のミステリの動向。僕は、ここに採り上げられた作家すべての良い読者ではないが、それでもなかなかの説得力を感じた。特にひいきの作家(有栖川有栖、北村薫など)について論じた部分は、自分でも漠然と気付いていながらうまく表現できないもやもやが晴れるような議論で、とてもすっきりした。良書。2009/07/11

鳩羽

4
新本格以降の作家論から、その作品がどう時代に読まれてきたのか、その作品からどう時代を読むことができるのかを露わにしようとする評論集。作品は時代を映す鏡でもあるけれど、ズーム自在のカメラでもあることを教えてくれる。2013/07/23

たなと

2
評論を読むたびに、評論家っていろんな知識が必要なんだなぁと感心する。思いもよらないところを結びつけて考えたりとか。それは置いといて、「東京創元社の<ミステリ・フロンティア>が、紙の本に対するこだわりやノスタルジーを漂わせているのも、紙の本を必要とせずに成り立ちそうなラノベ的なものを、視野に入れているためと思われる。」になるほどと思った。ミステリ・フロンティアを何冊か読んだけど気づかなかったな。綾辻行人の十角館の評論も面白かった。エラリィのあのセリフがミスディレクションになってるとか気づかない。2012/08/10

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