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お別れの、そのあとで

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  • サイズ B6判/ページ数 222p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784334927950
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

結婚が決まった寛を祝おうと、高校時代の部活仲間が集まり、山でバーベキュー・パーティーが開かれた。子どもたちのジュースが川に流されてしまい、寛とかつての彼女が彼らの代わりに探しに行くが、道に迷ってしまう。夫を亡くした彼女と話しているうちに、二人は自然と昔に戻っていく…(「お別れの、そのあとで」)。「幸せ」をつかんだはずの男女が予期しない別れを経て、また新たな一歩を踏み出すまでの姿を、丁寧な筆致で描く。表題作ほか、6編を収録。

著者等紹介

伊藤たかみ[イトウタカミ]
1971年兵庫県生まれ。’95年早稲田大学政経学部在学中、『助手席にて、グルグル・ダンスを踊って』で第32回文藝賞を受賞し、デビュー。2000年『ミカ!』で第49回小学館児童出版文化賞、’06年『ぎぶそん』で第21回坪田譲治文学賞を受賞、同年『八月の路上に捨てる』で第135回芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

234
読み始めはサラッとしていて、あっという間かな、と。とんでもない、途中から心を引っかかれまくりでした。どうしてこんなに優しい文章が書けるんでしょう。あー、そう言えば、私も必ず男性の左側を歩くよなぁ。んで、男性は左手を差し出してくれるよなぁ、なんて。そういうことだったのね!やわふわなだけじゃなく、どことなく芯の通ったスタイル、これからも追いかけます、伊藤さん。2016/09/09

おしゃべりメガネ

143
気がつけば伊藤たかみさん作品もアッという間の怒涛の勢い?で8作目となりました。これまで読んできた作品からも、かなりの‘雰囲気’作家さんなのは十分に感じれますが、本作の短編集はその得意とする‘雰囲気’具合がとても洗練されていて素晴らしかったです。他の作品全般にも共通するように、本当に何気ない日常のひとコマ、一風景を淡々と綴るスタイルなのですが、そこに書かれている文章の色遣いや呼吸すら聞こえてきそうな世界観がとても居心地がいいです。決して明るくない話でも、どこかにユーモアや前向きな感じがあり、励まされます。2016/01/31

じいじ

99
 別れと再生、身近でも見られるような30代の男と女の日常を綴った7つの短篇集。美しくて温かみのある文章で読み心地が良い小説です。私は夫婦の日常を丁寧に紡いだ【ささやかな成人式】が楽しくて好きです。結婚歴は浅くても、出逢ってから20年の仲良し夫婦。妻がキッチンで夕食の支度を、そこへ夫が帰宅。「玄関で靴を脱いでいるときの音が、幸せ感がはみ出していたよ」と出迎える。私の場合はどうだったかな?、と40年前を思い起こしていました。こんな洒落た名セリフは吐かなかったことは確かです。仄々とした夫婦愛を味わいました。2016/06/07

巨峰

74
伊藤たかみさんのわりになんて爽やかなんだろう。まるで違う人みたいww30代前半の人たちの別れと再起動を描いた短編集。わかれてまたはじめても人生の半分以上残っているのがいいですね・・・ぼくらなんか残りの人生とかって思ってしまうからなぁ…タイトルがとてもいいですね。2016/10/16

TANGO

38
図書館本。読み終えるのに、ちょっと時間はかかったけど、残しておきたい文がちらほら。別れの後にも、人生は続いていくものだし、変化していくことは悪いことではない、と思う。例えば、写真がセピア色になるように、思い出も落ち着いていくことも。「あなたの右側」と「真夜中のパラシュート」と「ひと箱半の人生」が好きだった。2014/03/05

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