明日の風

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  • サイズ B6判/ページ数 316p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784334927295
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

誰もが恐れる暴力的な父、お人好しで働き者の母、優しいが内向的な姉、小さな妹に囲まれて育った在日二世の少年。彼は、のどかな疎開先の村で、空襲で破壊され焼け野原となった街で、無秩序と混沌を原動力に復興してゆく繁華街で、誰と出会い、何を見たのか?騒乱。変革。相次ぐ近親者の死。非日常と愛しき日常生活が混在する戦中戦後の時代の空気と、そこに生きる少年の激動の日々を描き切った渾身の長編小説。

著者等紹介

梁石日[ヤンソギル]
1936年大阪市生まれ。デビュー作『タクシー狂躁曲』は「月はどっちに出ている」として映画化。『血と骨』で第十一回山本周五郎賞を受賞し、ビートたけし主演で映画化された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ジョニーウォーカー

11
“史上最凶の親父”といって真っ先に思い浮かぶのが、刃牙の範馬勇次郎と、この人の親父である。本書はあの『血と骨』を、息子である正夫少年(梁石日)の視点から描いた自伝的物語。身長185cm・体重100㎏を超える巨体、ヤクザでさえ恐れをなす凶暴さと圧倒的な腕力で、戦中・戦後の朝鮮人長屋に君臨した親父。その生き様とキャラクターがあまりに強烈すぎて、どうしても『血と骨』の刷り直しに見えてしまうのが残念であり、同時に可笑しくもあった。当時の北朝鮮帰国事業において、著者が漠然と抱いていた社会主義への不信感も興味深い。2010/11/30

Tomoichi

3
小説としては「血と骨」の方が面白いが、私にとって懐かしい地名等がそして東成区の裏面史が面白くあっという間に読めた。ラストの帰国船の場面を読みながら、「同級生はようさん北朝鮮に帰ったけど、もうみんな死んだやろな」という父の独り言を思い出した。2013/09/09

mitsuru1

2
『血と骨』の時代を子供の視点から描く自伝的作品。しかし相変わらずものすごい親父、私らぐらいの歳の人間じゃないとそんな奴らがいたことは信じられないだろうな。まあもちろん血と骨よりは落ちます。2010/11/02

アンコ椿

1
「血と骨」の焼き直しだったわい2020/08/24

しんぽん

1
「血と骨」は父の物語だったが、「明日の風」は子の視点から見た戦中戦後の在日朝鮮人の物語であった。父との確執だけでなく、社会情勢の不安の渦に巻き込まれている筆者の自伝的小説である。「血と骨」では狂風だったが、「明日の風」では穏やかな風を少し感じるのはなぜだろう。2010/10/06

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