内容説明
どこかに金貨が埋められている。桜の木の下だという。働き盛りの男三人と彼らより一回り年下の女性が手を結んだ。その金貨が語る膨大な物語とは。
著者等紹介
宮本輝[ミヤモトテル]
1947年、神戸市生まれ。追手門学院大学文学部卒。1977年、「泥の河」で太宰治賞を受賞し、文壇デビュー。翌年、「螢河」で芥川龍之介賞受賞。1987年、『優駿』で吉川英治文学賞受賞。2010年、『骸骨ビルの庭』で司馬遼太郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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美雀(みすず)
68
「桜の木の下の三千枚の金貨見つけたら全部あげるよ。」と夢のような話を聞かされて立ち上がろうとするものの、なかなか上手くいかなくて…。いろいろな寄り道があり、上巻が終了してもまだ宝探しに辿り着かない。でも、細かなエピソードが良いんですよね。タクラマカン砂漠のエピソードが「草原の椅子」や「星宿海への道」と重なって良かったです。でも、金貨の捜索はまだしないの?下巻へと。2014/02/19
だんたろう
30
三千枚の金貨を探す物語なんだろうが、先の展開がまったく読めない。上巻では、痔についての詳しい説明、シルクロードの描写、ゴルフのレッスン、それらのインパクトが大きい。つかみ所のない感じが、ますます謎を深めていく。金貨を実際に探すのかさえ今のところ分からない。しっかりとした描写に基づく、独特の浮遊感が作者の特徴であり、好きなところ。2011/07/02
も
29
「桜の満開の時分にそこに立つと背後から昇ってきた日の出によって長く伸びた自分の影が正面の低い山の麓にあるたった1本きりの桜の木を覆う。」和歌山の桜の木の根元に埋められた三千枚の金貨を探す3人の男とひとりの女。謎の言葉を残した男の素性を探るところで上巻おしまい。下巻はどんな展開になるのか。久しぶりに味わう冒険のわくわく感が心地よいです。2015/05/11
さゆ
27
冒頭からの10行。久しぶりに宮本輝の真骨頂をみた気がする。あの『錦繍』を思い出す。下巻が楽しみ。2010/08/21
ミーコ
24
読み始めるも中々、話に入り込めず… 面白くなるのか不安な思いでした。が中盤から気になる展開に… 下巻に続きます。2022/05/25