内容説明
PR会社に勤める小暮美奈(34)は、ある日、子会社の社長に就任するように言い渡される。その実態は「スミレ大サーカス」を経営することだった!偏屈な川崎団長以下、女好きの幸一・ケンカ好きの幸作兄弟、いんちきドイツ人のモーゼスブラザースなど変わり者ばかりの団員たち。なんとか彼らに馴染んで奮闘する美奈だが、サーカスを邪魔する影が次々と…地元のヤクザとのいざこざ、“何でも屋”による買収工作、ついにはバリケード封鎖で機動隊と対決…美奈はサーカスを守り抜くことができるのか。
著者等紹介
ヒキタクニオ[ヒキタクニオ]
1961年、福岡県生まれ。イラストレーター、マルチメディアクリエイターとして活躍した後、『凶気の桜』で作家デビュー。同作は映画化され話題を呼んだ。2006年『遠くて浅い海』で第8回大藪春彦賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よんよん
33
PR関連会社に勤める美奈、社長の高辺に子会社への出向を命ぜられる。そこはサーカス団。初めての経験を重ねて、自分がしてきた仕事を振り帰ることができた。やりがいのある仕事とは何か。なかなか読み応えのある作品でした。2018/06/09
nyanco
17
サーカスの裏側を描く、最近では目新しい舞台設定。突然現れた美奈が団員にメンバーとして認められるようになるまでの葛藤、美奈が徐々に団員と一体化し、菫サーカスを盛り上げていく過程など、なかなか面白い。喜三郎はカッコいいが、それ以外の団員達のキャラが活かしきれていないのが残念。目の前に生き生きとサーカスの舞台が見えてこない…。終盤の女社長・高辺との闘争もやや尻つぼみで残念。ヒキタさんが何故これを書いたのか…という疑問が残る。どこかでひとひねりあるのかと変な期待もしてしまい、ありがちな展開にややガッカリ。2010/03/26
nonたん
16
鳶がくるりとはスゴク好きな話だったんだけど、この話はちょっと煮え切らない感が残る。多分、社長の最後のところがイマイチ感強い気がしてるのと、このタイトルはホントにイマイチ過ぎます。2013/10/29
あつひめ
16
サーカスという人を非日常的な世界に誘う空間。いい大人でも口をポッカリ開け無邪気な顔をしていたりして。その非日常的な部分と会社の内部のイザコザを対照的に表している。人の功績を羨むあまり自分自身を嫌いになる人もたくさんいると思う。人を財産と思える性格と自分の評判しか信じない性格・・・対照的な比較を続けながらの物語。途中、私まで腹立たしく悔しくなってしまったり。完全に参加しながら読んだ一冊。2010/06/16
れんこ
14
初めて読んだヒキタクニオさんの本。思っていたイメージより普通。美奈さんと同じようなサイズなので「小さい」と言われるたびに、すみませんねぇ(-_-;)という気持ちに(^_^;)2015/05/16