木練柿

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  • サイズ B6判/ページ数 335p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784334926830
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

あの男には力がある。人を惹き付け、呼び寄せ、使いこなす、それができる男だ。娘は、男から刀を受け取り、抱き込みながら何を思い定めたのだろう。もう後戻りはできない。月の下でおりんは「お覚悟を」と囁いた。刀を捨てた商人遠野屋清之介。執拗に事件を追う同心木暮信次郎と岡っ引伊佐治。時代小説に新しい風を吹きこんだ『弥勒の月』『夜叉桜』に続く待望のシリーズ登場。

著者等紹介

あさのあつこ[アサノアツコ]
1954年岡山県生まれ。『バッテリー』で野間児童文芸賞、『バッテリー2』で日本児童文学者協会賞、「バッテリー」シリーズで小学館児童出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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kishikan

82
このシリーズは、だんだん深く面白くなってきます。(と言いつつ、第1作はまだ積読です。)前作の夜叉桜は、主人公である遠野屋の主人清之介を中心にして物語が回っているところが最大の魅力でしたが、今回はその不思議な魅力をかもしだしていた同心新次郎のニヒルでありながら本当は心優しい?謎の魅力、そして脇役の岡引伊佐治の渋さが格段に光っていましたね。あさのあつこさんの文章力・物語の構成力に感服すると共に、時代ミステリーの醍醐味を十二分に満喫いたしました。ご馳走さまでした!2011/08/18

万葉語り

76
シリーズ3作目。遠野屋を支える女中のおみつさん。遠野屋さんの商売仲間の吉次さん。今は亡きおりんさんとその事実を受け入れつつあるおかみおしのさん。伊佐治さんの息子の嫁のおけいさん。登場人物たちが掘り下げられる短編集。夕顔と木練柿が特によかったです。2018-2242018/12/24

藤枝梅安

75
まじめに商売を営んでいる清之介だが、なぜか事件が舞い込んでくる。タイトルにもなっている「木練柿(こねりがき)」では遠野屋の歴史と清之介の過去が少しずつ透けて見えてくる。それを暴いていくのは木暮信次郎なのだが・・・。信次郎の手下の伊佐治の過去にも言及がある。女房が営む「梅屋」にまつわる話も出てくる。このシリーズの中心人物は、清之介だと思っていたが、実は木暮信次郎なのだ。信次郎の謎がますます深くなり、それは伊佐治や清之介にとっても、深い闇である。信次郎の過去が見えてくる日は来るのか、きっかけを作るのは誰か。2010/10/09

星群

64
シリーズ第三弾〝文なんぞよこしやがって。一刻も早くお会いしたいだと。え?商人の分際で武士を小料理屋に呼びつけるなんざ、いい度胸をしてるじゃねえか〟あーはっはっは。今回も同心・信次郎節が小気味良い程に炸裂してますね。〝一筋縄ではいかぬ厄介な御仁ですよ。その厄介を、わたし自身がときにおもしろくも感じでしまうのが、さらに厄介でしてね〟全く同感です、清之介さん!あー、次作が楽しみ楽しみ。2023/10/22

ドナルド@灯れ松明の火

62
今度は短編集。この方が合っていると感じた。木暮信次郎と遠野屋清之助の間柄は少し理解しあったようだ。信次郎の謎解きがますます冴えわたる。伊佐治も実は謎解きがしたくて岡っ引きがやめられないということがわかる。清之介とおりんの結婚前の話がおしのの口から語られる。伊佐治の息子太助に嫁いだおけいもいい娘だ。タイトルの「木練柿」はおこまちゃんを中心にした短編なので読後感は前2作より格段に良かった。まだまだ続きそうな予感がする。2011/11/17

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