内容説明
嫁ぎ先でいじめ抜かれた妹に、手を差しのべられなかった姉の後悔を描く表題作ほか全六編。喜びと悲しみは繰り返す。ささやかな幸福を求めて生きる江戸の庶民を描いた傑作短編集。
著者等紹介
宇江佐真理[ウエザマリ]
1949年、函館市生まれ。函館大谷女子短期大学卒業。95年に「幻の声」でオール讀物新人賞を受賞。2000年に『深川恋物語』で吉川英治文学新人賞、01年に『余寒の雪』で中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紫 綺
116
彼岸花の美しく紅い絨毯を見た後、図書館へ寄った折りに出逢った一冊。人情のツボをくすぐる大好物の短編集だった。出逢いに感謝♪2016/09/29
さなごん
24
ちょっと寂しい話が多かったな。短編集。2015/12/28
ここぽぽ
17
短編集。昔も今も、変わらない世代を超えた家族の事情。 一つだった家族が生活のため、貧しさのため、複雑に絡む事情とともに袂を分かつ。一筋縄ではいかない男と女の恋模様。無念さや悲哀、不条理な人情が距離感がほどよくよい読了。「つうさんの家」「あんがと」がじんわりきた。2023/10/12
コージー
15
親兄弟、同居親族、友人関係でも100%好んで付き合えればいいが、そうはいかないのが人間関係。そういうイライラ感が結構わかる短編集だった。でもそんな中でふっと心が通じ合うのが、とても好ましく感じた。時代物だけれど、現実社会を考えさせられた。やっぱり人には、いじわるするより、親切にしておこうっと。2016/09/29
あかつき号
13
胸につまるしんみりとした作品集。この前にほっこりしたものを読んでいたので、なおさら。これを読んで晩年の作品たちの明るさが染み入る。2016/03/08