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うなぎ女子

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  • サイズ B6判/ページ数 233p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784334911782
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

日常の機微を描く作家、カトゲンの真骨頂、うなぎをとことん食い尽くす、とにかく美味しい連作集。

内容説明

笑子は、20年前に知り合い、家族の反対をおして同棲するが、何度も浮気される。加寿枝は、高校時代に振られるが、職場で再会し、密かに慕いながら別の男と見合いする。史子は、バイト先で知り合い、家出後、彼の家に転がり込んでルームメイトとなる。佑菜は、入院中に声をかけられ、退院後に旨いうなぎ屋に連れて行ってもらう。ともえは、妹として育つが、実は兄ではなかった事実を中学の時に知らされる。「権藤佑市」をめぐる女たち。鰻屋「まつむら」を舞台に、ひとりの男がつなぐ五人の女たち。甘辛連作短編集。

著者等紹介

加藤元[カトウゲン]
1973年神奈川県生まれ。日本大学芸術学部中退後、さまざまな職業を経て、2009年『山姫抄』で小説現代長編新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

mint☆

159
うなぎ愛全開女子の話かなと思いながら手に取ったけどそうではなかった。5つの短編集。売れない役者の佑市と女性たちと鰻屋の話。第一章で佑市の印象は悪い。だらしない男という印象は変わらないのに、悪いヤツではないと読み進むたび情報が更新されていく。なるほど見事に伏線回収。最後まで読むとストンと納得。『ときどき必要なんだよ。心をいっぱいにしてくれるごちそうが』うなぎは特別な食べ物なんですね。あー食べたいなぁ。2021/01/15

じいじ

137
 私事だが、我ら夫婦の最高のご馳走は「うな重」。何かの記念日には、躊躇うことなく「鰻屋」に足を運びます。しかし、大好物のうな重も昨今の価格高騰で年2・3回に減ってしまったのは残念至極です。さて、カトゲンの2冊目、美味そうな蒲焼の装丁に惹かれて選択。残念ながら、初読みの『嫁の遺言』ほどにシックリいかなかった。カトゲン小説は、テンポもいいし、文章も巧いので読み易いのだが、四章【うなぎの刺身】五章【うな重】篇を除いては、筋書きに馴染めず共感する場面が少なかった。ただし、読後は無性に「うな重」が食べたくなった。2017/10/03

紫 綺

99
うなぎ屋「まつむら」で、うなぎ料理を食ってみたい。この店と権藤祐市という売れない役者をキーに綴られる5つの連作短編。香ばしいうなぎの匂いと甘じょっぱいタレの誘惑が、読み手を誘う。切なくて寂しい話なのに、暗くはない。ちょっとのユーモアと旨そうなうなぎ蒲焼のお陰だろう。2018/02/09

nico🐬波待ち中

93
強烈なインパクトのある表紙。香ばしい匂いが今にも漂ってきそうで、もう降参。うなぎ屋『まつむら』を舞台に、うなぎを食べる男女の機微を描いた連作短編集。うなぎと言えば日常的に食べる物、というより非日常的な”たまのごちそう”。大人とは面倒くさい生き物で、お腹さえ満たされれば満足という訳にはいかないし、ただ美味しいだけでもだめ。隙間風の吹く虚しい心をいっぱいに満たしてくれる”ごちそう”が時には必要なんだ。それにしても、女性陣の食べっぷりが実に気持ちいい。ほろ苦の塞いだ気持ちも一気に吹き飛ばすパワーをもらった。2021/05/16

ゆみねこ

85
権藤佑市という売れない役者がキーになる、連作短編。主な舞台は「まつむら」といううなぎの専門店。うなぎの美味しそうな表現に心惹かれました。5章の「うな重」で語られる佑市の家族の話が一番良かったです。ともえが幸せになれたらいいな。2018/01/15

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