光文社知恵の森文庫
切腹―日本人の責任の取り方

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 254p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784334786441
  • NDC分類 156
  • Cコード C0121

内容説明

江戸時代の武士は、現在から見れば驚くほど小さな罪や手落ちであっても、切腹に追い込まれることが多かった。本書では、日本史の一級史料に見られる数多の“ハラキリ逸話”をもとに、誇り高く、しかしどこか辛くて切ないサムライの生き様を探索。武士社会の特異な倫理観・価値観から、現在もなお続く日本人固有の「責任の取り方」が見えてくる。

目次

第1章 ハラキリ略史(切腹の来し方;殉死と切腹 ほか)
第2章 罪と罰と切腹(喧嘩両成敗による切腹;刑罰としての切腹 ほか)
第3章 なんとも切ない切腹(藩に見捨てられた武士たち;エリート藩士の大誤算 ほか)
第4章 御家騒動と切腹(加賀藩長家の御家騒動;薩摩藩の御家騒動)
第5章 藩主と家臣―切腹に潜む臣の道(武士の命は主君のもの;飼い馴らされた武士ども)

著者等紹介

山本博文[ヤマモトヒロフミ]
1957年、岡山県生まれ。東京大学文学部卒業、同大学院修了。文学博士。東京大学史料編纂所教授。’92年、『江戸お留守居役の日記』(読売新聞社)で第40回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。日本近世史を専門とし、史料を丹念に掘り起こしながら、新しい江戸時代像を提示し続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

鉄人28号

6
☆☆ 切腹の歴史、切腹はどういう時にするか、切腹の例などが武士道と絡めて、史料に基づいて詳しく解説されている。2018/06/09

お萩

6
切腹それ自体というよりは、切腹を通して見る主従関係の変動の様子、という感じ。ラストの「切腹の日本地図」は本書で取り上げられたものなのでなんとも言えないが九州が多いような。地域性とかあるんだろうか。江戸時代の主従関係と責任のとり方が、一部当たり前のようにしてその後の戦中戦後現代まで残っているのが面白い。2016/02/18

邑尾端子

4
江戸時代に刑罰として切腹を命じられた旗本が殆どいない理由は、切腹を命じられる前に自主的な自殺を促されるから(直臣である旗本に刑をくらうような悪い奴はいない、という大前提を守るため)とか、言われてみればナルホドと思うが知らないことが多かった。また切腹による殉死が、元来は忠義立てのためではなく男色関係にある者の心中立てだったのではないかとする指摘は面白い。2016/05/19

すうさん

1
以前に読んだ切腹の本は、文化論的な話で分かりやすかったが、この本は読みにくかった。今回は具体例で会津藩の事例が多く書かれていたのだが、いくつか昔の言葉も使われていて難しかった。サムライは、最初は戦士であったが、江戸時代になると官僚になった。ただ精神論的なものは、昭和に入って戦争時代にも大きく展開していった。切腹だけを語るのではないが、日本人としての責任の取り方ということでは、「無責任時代」や「自己責任」という言葉が横行している中で、「私達は何に責任を負い、何を果たしていくのか」を問い続けていきたい。2015/03/02

9

0
負けてヤケクソとかいう状況なら何となくわかるんだけど、実際おまえ切腹ねって上司から言われたら社会状況は別として、気持ちとしては嫌というレベルじゃないくらいに嫌で、本当はごねたいんじゃないだろうか。本書を読んだ限りだと、切腹に対する理解は時代劇とかお話で感じているもので合ってるかな。事例の藩が偏っていたような、史料の問題?戦国初期だと家臣が反抗するってのは面白かった。江戸時代の責任の取り方が今だ日本に根付いているってのはなんとも微妙。大したことない事で腹は切りたくないな。2016/04/05

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/8007771
  • ご注意事項