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内容説明
「きものは物質にすぎませんが、織った人間の心が、これ程現われるものもありません」。46歳の時、染織工芸の店「こうげい」を銀座で始め、敬愛する染織家たちの「粋」と「こだわり」に触れながら、審美眼に磨きをかけていった著者。「背伸びをしないこと」「自分に似合ったものを見出すこと」。白洲正子流着物哲学を綴った名著。
目次
きものが好きになるまで
伝統のきもの(1)織物
伝統のきもの(2)染めもの
きものを選ぶ眼
どこで何を着ればよいか
きものの付属品
著者等紹介
白洲正子[シラスマサコ]
1910年、東京生まれ。樺山伯爵家の次女として生まれる。幼少より能を学び、’24年、14歳で女性として初めて能楽堂の舞台に立つ。同年に渡米、ハートリッジ・スクールに留学。帰国後、19歳で白洲次郎と結婚。戦後は小林秀雄、青山二郎らと親しみ、文学、骨董の世界に踏み込む。現地へ足を運び、自分の目で確かめて執筆する姿勢は終生変わらなかった。’64年『能面』(求龍堂)、’72年『かくれ里』(新潮社)でともに読売文学賞を受賞。’98年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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ぼちぼちいこか
32
50年前に白洲正子が銀座に「こうげい」という店を持っていた。主に着物を扱い、販売していたが、自身で選びまたは作らせた物を扱っていたらしい。元伯爵令嬢の著者が商いを開くには努力と研究が不可欠だったであろう。その審美眼は鋭く、独自の美を信じ、見るものの質を見透かす力がある。世界中を駆け回り見識してきた著者が染め、織りの本物を教えてくれた。惜しむらくは写真がカラーだったら良かったのに残念。2022/05/14
冬見
11
きものを愛し自らきものの商いもした白洲正子によるエッセイ。着物に明るくないため前半分の「伝統のきもの」の章は馴染みのない素材や紋様など新しい情報が多く、おもしろくはあったがなかなかハードで、そこまで読むと疲れてしまってしばらく放置していた。が、続きを読んでみると後半部は白洲正子流の美意識を記したエッセイの色が濃くなりこちらは一気読み。自分のなかに一貫した美意識を持っているが、それを他者に強要はしないところが好ましい。10日で書き上げたとは驚き。欲を言えばカラー図版が欲しかった。2021/02/07
misalyn
3
昭和35年くらいに書かれたようですが、平成の今だからこそ読みたい着物の本。誰が決めたかわからない“決まり事”に縛られず、もっと自由にもっと自分らしく着物を着なさいと優しく強く語ってくれています。ずっと手元に置いておきたい一冊です。2013/11/03
ひろ
2
内容は濃く2015/06/12
なつきネコ
2
白州さんのセンスの良さを感じさせる一冊だった。最初に白州さん自身の話は楽しかった。特に、福田屋千吉さんの話、本当に昔はとんどもないセンスと技術を持った人がいたんだな。生きていたら、作って欲しかったな。2015/02/28