知恵の森文庫<br> 不可触民―もうひとつのインド

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知恵の森文庫
不可触民―もうひとつのインド

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  • サイズ 文庫判/ページ数 231p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784334780449
  • NDC分類 362.25
  • Cコード C0136

内容説明

「インド人口の約四分の一、二億五千万もの人びとが、三千年の昔に生まれたカースト制による差別意識に今も呻吟している。この人びとの置かれている現実の厳しさを、本書を通して少しでも感じて頂ければ幸いである」(「文庫版まえがき」より)。インド観、人間観、世界観を根底から揺さぶる、衝撃の名著。

目次

序章 インド的世界へ
第1章 原体験
第2章 民衆を求めて
第3章 証言
第4章 虐殺の村
第5章 大きな眼
第6章 わたしたちのことを告げて下さい
第7章 インデラ・ガンジーと不可触民
第8章 ある歴史
第9章 都市の不可触民
第10章 内部のインド

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ねこまんま

28
カースト制度の四つの身分のその下にある「不可触民」。彼らの生の声がつまった凄まじい内容。貧しく、家畜以下の扱いに呆然とする。そうか、最近、よくインドでのレイプのニュースを見聞きするが、きっと犠牲者は不可触民の女性でこういった背景があったからか。1981年に書かれているので、内容は古いのかもしれないが、長いカーストの歴史が30年ほどで変わっているとは思えない。著者が不可触民の人たちとの交流の中で話を聞いた体験記なので、とても簡単に読めるけど、内容はとんでもなく奥深い。なんせインドの文化そのものなんだから。2015/09/09

テツ

24
インド哲学。インド料理。エキゾチックな文化や音楽。僕は彼の地のことがかなり好きなんだけれど、そうした好きな部分の裏側には生まれた瞬間から不浄な存在だとインドの社会で扱われる人々が存在しているんだと思ってしまったときから単純に全てを好きだとは考えられなくなってしまった。過去において不浄な存在を創り上げることは確かにある種の結束力を高めたり、更に下の階層を認識させることによるガス抜きの効果はあったのかもしれない。でもさ。もういいでしょうと。カースト制という価値観について知れば知るほど気分が重くなる。2018/01/20

14
差別という表現では簡単すぎるほど、信じられないほどに酷い扱いを受ける不可触民。奴隷というよりも家畜として扱われている存在。読み進んでいくうちに、なぜこうしてまで差別する対象が必要なのか疑問が浮かんできた。自己顕示欲?自分より低いものを甚振ることによる自己満足?アーリア人統治に対する自己防衛?カースト制度だから、だけでは済まない深い闇が感じる。でもこの闇があるからこそ、ブッタ、ヨーガの生まれたインドなのだろう。2014/10/23

kanaoka 56

11
カースト制は、ヒンズー教信仰と不可分であり、それは魂の浄・不浄観という本質にある。それは疫病等が流行りやすいインド風土に由来するのだろうか? 不可触民を虐待する貧しいヒンズーカースト達の自尊心・秩序維持、その執念深さ。不可触民を家畜・奴隷として利用する立場の高いヒンズーカースト達の傲慢、強欲さ。汚れた仕事を担う存在として社会に不可欠であり、それを代々世襲させる伝統装置として機能する。 本書は1980年頃の記録であるが、その後の時の経過、都市化進展等は、現代インドに何をもたらしているのだろうか?2018/03/23

牧神の午後

11
バラモン・クシャトリヤ・ヴァイシャ・シュードラ、大昔世界史で覚えたカースト制度。そしてそのカーストの外側の人々、まさに最下層の人々が「不可触民」。その差別は徹底的で、排他的で、非人間的で、独善的で、どれだけ言葉を重ねても重ねたりない。日本でも士農工商の身分制度の外側の人々がいたわけだけれども、同じようなことがあったか?と絶望。しかし、本書執筆当時には絶対にあり得なかった黒人大統領が誕生したんだ。きっと全てのことが良いことに繋がるのだと、「絶対にあり得ない」ことなんて絶対にない、と信じたい。2015/02/17

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