光文社文庫<br> 満潮

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光文社文庫
満潮

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  • サイズ 文庫判/ページ数 461p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784334778712
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

大学生・茶谷は、結婚式場でのバイト中、美しい花嫁・眉子に一目惚れをした。彼女を分かってあげられるのは僕だけだからと、夫の会社に潜り込んで近づいていく。しかし、人を喜ばせることに依存して生きる眉子には、その過剰な自意識すら満たすべき対象となっていた―。過去の記憶も呼び起こし、思いのすれ違いが生んだひずみは、―暴走を始める。

著者等紹介

朝倉かすみ[アサクラカスミ]
1960年生まれ。2003年、「コマドリさんのこと」で第37回北海道新聞文学賞、’04年、「肝、焼ける」で第72回小説現代新人賞受賞。’09年に『田村はまだか』で第30回吉川英治文学新人賞を受賞。’17年、『満潮』で第30回山本周五郎賞候補、’19年、『平場の月』で第32回山本周五郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スエ

112
思い込みの激しい男がいたんですよ〜(な〜に〜?!)結婚式場のアルバイト学生が、新婦にホレちまってね。新婦よ、新婦!!妊婦じゃ無くてね(どっちも凄いが)……その後。学生は新郎の会社へまたまたアルバイトとして潜り込み、ドロドロ劇場のはじまり始まり〜♡ いや、新婦もね。これまたエキセントリック(少年ボウイ)な性格でね。とにかく気合入れて読まないとヤケドするわよ。ラストもオーマイガー❢❢ 学生よ、やっちまったな!コソコソせずに、飛雄馬の様に「重いコンダラ」引いて血と汗と涙を流して出直してこいッ!!!2021/08/31

エドワード

28
古今東西、人は多面的なもの。ブログやSNSの利用で、多様な人格を容易に表現できる現代。北海道から上京した眉子は、会社社長の直人と結婚する。直人の部下の茶谷、様々な視線から描かれる、蟻地獄のような三角関係。特に眉子の本当の姿が全く解らない。臆病者、貞淑な妻、奔放な女?クセモノ揃いの、眉子の周りの男たち。茶谷の言葉「満潮になった海。とてつもない破壊力を秘めている。秘めた力を解放し終えたら、元のおとなしい僕に戻るのだ。」が印象的だ。確かに、人生でここぞ、と力を出し切る場面は希少だ。なりたい自分―現代の闇は深い。2020/04/20

さち@毎日に感謝♪

22
人を喜ばせることに依存して生きる眉子の生き方にどうも感情移入出来ずに読み終えてしまいました。登場する男達もなんだか頼りなく感じてしまいました。2022/05/29

ruki5894

20
今まで読んだ朝倉かすみとは違う感じ。ねっとりと気持ち悪い人ばかり。もう少し短くても良かったかなぁ。ちょっと長く感じてしまった。でも朝倉熱は収まらない。さぁ、次読もう!2019/08/21

小豆姫

19
時系列ばらばらに次々現れる人物が語るエピソードの、そこかしこに眉子という女の人生の一端が見え隠れして… じわじわっと染みだしてくる気色悪さといずれとんでもないことが起こってしまう予感の、満潮へと高まり感が上手い。中身のない美しいだけの空気人形のような眉子の異様さ、幼児性怪獣夫も自己中妄想ストーカー男も、普通の顔して普通にどこにもいそうなのが怖い。「平場の月」でしっとり泣かせた朝倉さんのもうひとつの顔。ゆるさと毒のまぶし具合がクセになるなる。もしやこちらが真骨頂かも。2019/07/30

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