内容説明
「君は、みずからの人格と他のすべての人格のうちに存在する人間性を、いつでも、同時に目的として使用しなければならず、いかなる場合にもたんに手段として使用してはならない」。多くの実例をあげて道徳の原理を考察する本書は、きわめて現代的であり、いまこそ読まれるべき書である。
目次
第1章 道徳にかんする普通の理性認識から、哲学的な理性認識へと進む道程
第2章 通俗的な道徳哲学から道徳形而上学へと進む道程(道徳性の最高原理としての意志の自律;道徳性のすべての偽りの原理の源泉としての意志の他律;他律を根本的な概念とした場合に生まれうる道徳性のすべての可能な原理の分類)
第3章 道徳の形而上学から純粋な実践理性の批判へと進む道程(自由の概念は、意志の自律を説明するための“鍵”となる;自由は、すべての理性的な存在者の意志の特性として、前提されなければならない;道徳性のさまざまな理念にともなう関心について;定言命法はどのようにして可能になるか;あらゆる実践哲学の究極の限界;結論としての注)
著者等紹介
カント,イマヌエル[カント,イマヌエル][Kant,Immanuel]
1724‐1804。ドイツ(東プロイセン)の哲学者。近代に最も大きな影響を与えた人物の一人。『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』のいわゆる三批判書を発表し、批判哲学を提唱して、認識論における「コペルニクス的転回」を促した。フィヒテ、シェリング、ヘーゲルとつながるドイツ観念論の土台を築いた
中山元[ナカヤマゲン]
1949年生まれ。哲学者、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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