内容説明
光文社古典新訳文庫では創刊以来、対談、講演、エッセイ、評論など、いわば「古典新訳文庫の衛星群」といえるものを生み出してきました。今回、この“衛星たち”が一堂に会し「新星」となって誕生しました!散歩の途中でカフェに立ち寄るように、気軽に手にとってみてください。
目次
特別寄稿(「月日はあやしくも物狂おしくながれすぎる」(辻原登)
森のどこかに(望月通陽))
講演(ドストエフスキー『罪と罰』の謎―黙過のリアリティ(亀山郁夫)
古典と教養のルネサンス―イギリス人のシェイクスピア発見について(安西徹雄))
対談(『カラマーゾフの兄弟』に潜む謎を解く(亀山郁夫;島田雅彦)
『アンナ・カレーニナ』の秘密―時間の流れと視点を自在に操るトルストイの狙い(綿矢りさ;望月哲男) ほか)
アンケート わたしが好きな古典
エッセイ 古典作品への誘い(押して、伸ばす(小川高義)
翻訳におけるユーモア(関口英子) ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
107
光文社のシリーズで出ている古典新訳文庫の紹介本だと思います。最近はあまり世界文学全集のようなものを出すところが少なくなって、この文庫や岩波文庫でも新訳で出すケースが増えているようです。このシリーズでかなり出された亀山郁夫さんや中条省平さんの対談などかなり読ませるものもあり、私の好きな古典などというコラムもありそれなりに楽しめます。2016/01/16
Wisteria
15
あまり古典を読まずに来てしまった事に今更ながら焦りを感じている。色々考えるのが面倒なので、光文社古典新訳文庫で統一して読んで行こうかと思っていた矢先に見付けて読んでみた。ブックガイドかと思ったけれど、もっと真面目な内容でなかなか興味深く読めた。最後の装幀担当の望月通陽さんの寄稿『森のどこかに』が素敵だった。読書は深い森に迷い込むようなもの。これからの出会いがすごく楽しみ。2016/02/03
けいこ
12
ドフトエフスキーの『罪と罰』や『カラマーゾフの兄弟』などを翻訳した方の講演や対談などが載っています。翻訳者だからこそ、内容を深く読んでいて、興味深い内容でした。漫画になっているものもあるけれど、小説の方も読みたくなりました。2015/03/31
壱萬弐仟縁
9
岩波文庫で読むのと、本光文社古典新訳で読むのと、どちらがいいのか。評者は、同じ作品ならば、両方読み比べたらいいと思う。実際、岩波文庫では特に評者の場合は黄色の日本古典の作品は読解力が不足している。したがって、光文社文庫を利用する方が理解が用意だろう。一応、その作品には自信がある場合は、読み比べて、そうでなく、理解不足の際は光文社文庫のみでいいと思える。余裕があれば、岩波文庫版で原文主義でいければ、それで目的は達せられると思える。同じ作品でも、邦訳を読み比べれば、訳者の発想にも触れることができよう。2012/11/28
mejiro
8
亀山氏が留学したときの体験談と、理解するためには経験が大事、という言葉が印象深かった。翻訳家の方々をさらに尊敬するようになった。対談、エッセイその他、表紙デザインの話もあり興味の尽きない内容。 2015/02/02