内容説明
1872年のロンドン、謎の紳士フォッグ氏は、“改革クラブ”の友人と金2万ポンドの賭けをした。それは八十日間あれば世界を一周できるというものだった。成功に絶対の自信をもつフォッグ氏は、フランス人の召使いパスパルトゥーを従えて出発。全財産とプライドを賭けた旅が始まった。
著者等紹介
ヴェルヌ,ジュール[ヴェルヌ,ジュール][Verne,Jules]
1828‐1905。フランスの小説家。「空想科学小説の父」といわれる。ナント市のフェドー島で弁護士の長男として生まれる。子供のころから『ロビンソン・クルーソー』などの冒険小説を愛し、12歳のとき未知の国への憧れから密航を試み捕まる。地球上のあらゆる土地、海底、地底、月世界までも旅する「驚異の旅」といわれる一連の空想科学小説を生み出す
高野優[タカノユウ]
フランス語翻訳家。高野優フランス語翻訳教室主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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まふ
106
少年時代以来何度か読んだはずだが、忘れてしまっていたので新鮮。1872年(明治5年)10月から12月にかけて80日間で世界一周を果たすという賭けを1人対5人で実行する。上巻はフォッグ氏が従者パスパルトゥーと共にロンドンから大陸に渡りフランス、イタリアを経てスエズ、紅海からインドへ行き、生贄にされそうだった藩王の美人妻アウダを救い、香港から上海まで進むまで。ほぼ150年前の交通手段でいかにも楽しく旅行している。フィックス刑事がいい味を出している。「意訳」本位の訳文なので読みやすく下巻が楽しみである。2023/04/25
優希
97
面白かったです。賭けから始まる80日間での世界一周旅行。とはいえ、何処か夢のようにも感じました。紆余曲折はありますが、こんな旅がしてみたいと思わずにはいられません。時代背景や国柄は全く異なるのに、引き込まれる世界。次から次へと起こる難解な出来事。ハラハラドキドキしながら、旅の楽しさを味わえます。まだまだ続く旅。下巻では何処へ行くのでしょう。2016/11/21
藤月はな(灯れ松明の火)
95
「男に二言はない」というが、80日間で世界を一周できなければ、財産没収!?ジーヴスシリーズといい、英国の貴族ってのはどうしてこう、莫迦な賭けをしちゃうんだろうね〜!!その賭けに挑むのは謎めいた冷静沈着紳士フォッグ氏。彼は元曲芸師の可愛い美青年、パスパルトゥー君を引き連れて急ピッチで世界一周をする。目的地について時間が出来ても宿屋に籠るフォッグ氏に「周囲散策しなよ〜!!」と思いつつもちゃっかり、殉死されそうになるアウダ夫人を助けたり、象に乗ったり、妄想狂の刑事に知らずに追われたりと波乱万丈な旅路である。2017/03/12
扉のこちら側
92
初読。2015年1200冊め。【94-1/G1000】タイトルだけは知っていた作品。80日間で世界一周ができるか否かを賭けた英国紳士と召使の旅。物語の展開と、フォッグ氏の何事にも動じないキャラクターがおもしろい。そして旅の賭けだけではなく、銀行強盗として疑われているという二重の設定の妙。下巻が楽しみ。【第7回G1000チャレンジ】【第52回海外作品読書会】2015/12/11
月讀命
84
サッカーのワールドカップが開催されると『弾丸ツアー』なるものがあり、ー泊四日等計算が合わないような旅が存在し、ヨーロッパだろうが南アフリカだろうが飛行機で飛んで行ける時代だ。(必ずしもそれが好ましいとは思わないが・・・)ヴェルヌがこの物語を書いた150年前の世界において、フォッグ氏とパスパルトゥーの行った80日間世界一周は、『弾丸ツアー』のはしりのように思えた。可能か不可能かを賭ける行為は、サッカーでどこが勝つかオッズをつけるのにも似ている。まだ地球が広かった頃の世界一周の旅は、ハラハラ、ドキドキである。2013/11/07