光文社古典新訳文庫<br> 知への賛歌―修道女フアナの手紙

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光文社古典新訳文庫
知への賛歌―修道女フアナの手紙

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  • サイズ 文庫判/ページ数 234p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784334751425
  • NDC分類 961
  • Cコード C0197

内容説明

詩こそが最高の文学だった17世紀末。ソル・フアナはそんな時代に世界で最も愛された詩人だ。美貌の修道女でありながら、恋愛や抑圧的な社会への抗議をテーマとした作品を残した。彼女の思想を明快に表現した詩と2通の手紙を、詳細な解説とともにまとめたわが国初の試み。

目次

詩のアンソロジー
告解師への手紙

著者等紹介

フアナ・イネス・デ・ラ・クルス,ソル[フアナイネスデラクルス,ソル][Juana In´es de la Cruz,Sor]
1651‐1695。メキシコの詩人、修道女。世界に版図を広げたスペイン・ハプスブルク帝国の末期、植民地に生まれた、同時代のスペイン文学最大の作家。結婚せず学問を修めたいがために修道女となり、恋愛の機微や女性の生き方、男性批判などの個人的主題を文学にもちこんで恐れなく明快に表現した。現在、その肖像はメキシコの200ペソ紙幣で使われている

旦敬介[ダンケイスケ]
1959年東京生まれ。明治大学准教授、作家、翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

マエダ

66
”彼女は、言いたいことを言うときには驚くほどフランクに口にすることができる類い稀れな勇気の持ち主だった”知れてよかったソル・フアナ。自我の拡張感の陶酔と女の権利の制約に対する抗議が著者のテーマであり、アメリカ大陸最初のフェミニストと言われているという。2018/09/14

兎乃

30
『私を迫害することで、世界よ、お前は何の得をするのか?私に何か失礼があったのだろうか?私が試みたのはただ わが頭の中に美しいものを入れておこうとしただけであり 美術品にわが頭を入れあげてしまったわけではないのに。』16世紀後半、こんなに美しく聡明な女性がメキシコにいました。フェミニスト的視点ではなく、詩人・芸術家として尊敬します。もちろん、その政治的嗅覚も素晴らしいと思うけど。2013/02/18

紫羊

20
この本を書店で手に取るまで、作者のソル・フアナの存在を知らなかった。女であっても学問や詩作が許される身分を獲得するために修道女になったという何とも大した女性だ。この本には数編の詩と二通の手紙が収録されている。特に手紙が面白かった。表面上は謙遜に謙遜を重ねたような言葉を連ねながら、隠し切れずに溢れ出る自身の知への自信。作者が身近に感じられる。そして、時代を経ても人間の本質は大きく変わらないことが愉快に思えた。2013/10/23

kazi

17
事前知識ゼロで読みました。おそらく先覚者と言うべき人なのでしょうね。全編通して感じられるのは、当時の女性が負っていた社会的制約の理不尽さに対する反発心であり、修道女という立場も関係するのだろうが、反発の意思を表明するのも物凄く気を遣って書いてるということです。文学的名声を得ても、「女性のくせに」的な批判に晒され、名声が苦痛となる。卓越した才能を持ちながらその才能を自由に表現することができないというのは、非常に生きづらいことだったのでしょう。こんな昔にこのような女性がいてくれたというだけで奇跡みたいな話だ。2024/04/03

かふ

17
メキシコの修道女が書いた詩と手紙。世俗的恋愛(同性愛)のような詩を書いたのでカトリックの告解師やメキシコ統治の大司教から批判される。その二通の手紙はカトリックの家父長制的女性蔑視に対する異議というもので、現在のフェミニズムに繋がるものである。彼女の主張は詩を書く表現の自由であり、それは神から抑圧されるものではない。信仰とは別の次元の話で彼女を貶める勢力は女性の社会進出を許さない従属した関係にさせているのだという。メキシコは当時スペイン統治下であり、セルバンテス亡き後のスペインで彼女の作品は人気を呼んだ。2023/10/03

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