内容説明
札幌郊外の豪華マンションで発生したやり手女社長殺人事件。解決は時間の問題とみられていたが、捜査は難航。現場近くの川で行われたサケの母川回帰本能の実験から捜査は急展開していく―。自らの嗅覚を頼りに因縁の糸を探りあてる刑事の執念と鮮やかな着眼によるミステリーの冴え。表題作以下傑作七編の競演。
著者等紹介
森村誠一[モリムラセイイチ]
1933年埼玉県熊谷市生まれ。青山学院大学卒。ホテルマンを経て、作家となる。’69年『高層の死角』で第15回江戸川乱歩賞、’73年『腐触の構造』で第26回日本推理作家協会賞を受賞。2003年には第7回日本ミステリー文学大賞を受賞した。ミステリーを中心に、歴史小説、ノンフィクションなど、多岐にわたる分野で活躍。その著作は、370冊を超え、近年は、創始した「写真俳句」も話題を呼んでいる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kinki
1
短編でスッキリ2012/08/30
北浦透
0
どれも高品質で、心をつかまれる物語。この「ベストセレクションシリーズ」は本当にレベルが高い。2013/01/12
火星人碧
0
世の中のどこかで起きているかもしれないドラマに事件が絡んでゆく。名探偵はどこにも登場しない。二時間ドラマの原作になりそうな話ばかりだ。刑事たちの執念が事件を暴いてゆく。きっかけは偶然でも必然として起こる事件。「溯死水系」「肉食の食客」「雪の蛍」にはすべて生物がキーポイントとしてでてくる。こういうのは面白いと思う。証拠隠滅というのは難しい。「被殺の錯誤」のラスト2頁は、やはりと思いながらも辛い。選集であるだけに粒ぞろい。2021/09/03