光文社文庫<br> ダイイング・アイ

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光文社文庫
ダイイング・アイ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 408p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784334748968
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

雨村慎介は何者かに襲われ、頭に重傷を負う。犯人の人形職人は、慎介が交通事故で死なせた女性の夫だった。怪我の影響で記憶を失った慎介が事故について調べ始めると、周囲の人間たちは不穏な動きを見せ始める。誰が嘘をつき、誰を陥れようとしているのか。やがて慎介の前に妖しい魅力に満ちた謎の女が現れる。女の正体は、人形職人が甦らせた最愛の妻なのか?

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

717
東野圭吾にしてはやや珍しい要素が2点。第1点は、オカルトめいた設定を取っていること。しかも、それがガリレオ・シリーズのように科学的に解明されるわけではない。次いでは、性的な表現が登場するばかりではなく、それが小説の中である程度以上の役割を果たしていること。事故の真相は半ばまでは途中で気が付くが、全容は見抜けなかった。小説自体は冒頭から一貫してサスペンス性に富むスピーディな展開である。一方で人物造型には幾分不満も残る。ミドリが誘惑術と性的技巧に長けているのは、読者の側からは無理を感じるからである。2021/12/21

Tetchy

603
記憶喪失の主人公が過去を探る話はそれこそ世にゴマンとあるが、それが過去に起こした交通事故、しかも相手は亡くなっている事件であることが東野氏の着想の妙と云えよう。交通事故は正直当事者の思い込みによって左右されることもあり、はっきりとした真相が曖昧になりやすくもある。だからこそ交通事故には隠された真相が生まれやすいミステリとして宝の山とも云える。恐らくはオカルトめいた結末が本書が長い間お蔵入りしていた一因かと思うが、そうするには勿体ないクオリティであったし、きちんと刊行されたことを一ファンとして喜びたい。2015/03/31

takaC

331
2年前に単行本で読んだ時と感想変わらず。表紙デザインを変えてイメチェンを図ったのかもしれないが効果なし。やっぱり解説は書いてもらおうよ。それを楽しみにしている読者も多いんだから。2011/01/23

ノンケ女医長

294
例えどんな職業でも。どんなに機器が発達しても。目の前で見知らぬ人が、この世から消えていくところに立ち会ってしまうなんて、そうそうないこと。夜中に自転車を運転中、猛スピードで大きな車体が突っ込んで来た。相手の目を直視しながら亡くなっていく描写に、とても竦み上がってしまった。一瞬の過ちで、人生が大きく変わってしまった被害者家族と、加害者。事故から逃れようとする心理に、当事者の浅はかさを知る。作品の随所に描かれる性描写も、死の近接感を際立たせていて、良かった。ダイイング・アイとは、なるほど。2022/12/31

ダイ@2019.11.2~一時休止

245
多少の意外はあってもオチは予想通りであり、それなりに面白かったが、東野さんの作品としてはやや不満が残る。2013/08/02

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