内容説明
井村は妻がキライだ。家事、料理から日常の会話まで、何から何まで女房・克子とは気が合わない。とはいえ離婚するまでの決心もなく…。四十三歳の彼は、二つ年下の克子に先立たれることを夢想する毎日。とある休日、安アパートに「空室あり」の貼り紙を見つけ、井村は一人で過ごすかくし部屋を手に入れた(表題作)。男と女の「言い分」をコミカルに描いた七編。
著者等紹介
田辺聖子[タナベセイコ]
1928年大阪府生まれ。’47年樟蔭女子専門学校国文科卒業。’64年『感傷旅行(センチメンタル・ジャーニイ)』で、第50回芥川賞受賞。’87年『花衣ぬぐや まつわる…』で第26回女流文学賞受賞。’93年『ひねくれ一茶』で第27回吉川英治文学賞受賞。’94年第42回菊池寛賞受賞。’98年『道頓堀の雨に別れて以来なり』で第50回読売文学賞、第26回泉鏡花文学賞、第3回井原西鶴賞を受賞。’95年には紫綬褒章、2008年文化勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
76
面白かったです。男と女の言い分をコミカルに描いている短編集。夫婦であるからこそお互いに思うことがあるのですね。夫の立場、妻の立場があまりに極端なのには笑えます。2018/01/27
Shinryo4
4
ちょっと古い話だが、今も昔も夫婦の形って余り変わらないんだなと思った。特に「ボケの花」の年の離れた夫婦ネタは、自分のことを言われているようで、これからは旦那様にもう少し優しくしようと思った。2018/07/29
るむ
3
妻のことが嫌いだったり苦手だったりする夫のお話が7つ。妻は嫌だけど家の事をするくらいなら我慢しよ、とか、完璧に家事をこなす妻を認めつつ「性格がつまらない」とか、ヒドイ。当時の妻たちはよく頑張りました。とは言え、夫が嫌う妻像に、自分を省みて反省すべき点がチラホラ。こわっ。お話の中では、妻と娘がイヤすぎて、内緒で安アパートを借りて読書を楽しむ夫がお気に入り。2023/02/21
Ree.
0
★★★☆☆短編で、それぞれ違う男女の話なのに、みんな似通っている。世間なんてそんなモノってこと?個人的には行間がなくて、どこで1度切るか困った。苦笑2020/08/29
金吾
0
○ 互いの言い分がかかれており、昔も今も変わらないのだなあと思いつつ読みました。面白かったです。2019/09/09