内容説明
「目糞鼻糞を笑う」という諺は、ロシアでは「屑が埃を笑う」、アフリカでは「猿の尻笑い」…と世界中に似たような諺は多い。舌鋒鋭かった名エッセイストの遺作が待望の文庫化。歴史も地理的気候的条件も、文化も全く異なるところで、同じ文句が同じ意味に使われている。世界の国々での諺の使い方を紹介しながら政治を風刺。まさに米原ワールド炸裂。
目次
1 二〇〇三(「医者の不養生」;「寄らば大樹の陰」;「馬鹿と鋏は使いよう」;「蛇の道は蛇」;「早いが勝ち」;「少年老易学難成」;「悪女の深情け」;「大山鳴動して鼠一匹」;「朱に交われば赤くなる」;「天は自ら助くる者を助く」)
2 二〇〇四(「鶏口となるも牛後となるなかれ」;「甘い言葉には裏がある」;「能ある鷹は爪を隠す」;「蟹は甲に似せて穴を掘る」;「内弁慶」;「自業自得」;「頭隠して尻隠さず」;「覆水盆に返らず」;「目糞鼻糞を笑う」)
3 二〇〇五‐二〇〇六(「嘘つきは泥棒のはじまり」;「火事場泥棒」;「一事が万事」;「後の祭り」;「割れ鍋に綴じ蓋」;「禍福は糾える縄のごとし」;「飼い犬に手を噛まれる」;「隣の花は赤い」;「安物買いの銭失い」;「終わりよければ全てよし」)
著者等紹介
米原万里[ヨネハラマリ]
作家。1950年、東京生まれ。小3のとき両親とともに渡欧、’59年から’64年まで在プラハ・ソビエト学校に学ぶ。帰国後、東京外国語大学ロシア語学科卒業、東京大学大学院露語露文学修士課程修了。ロシア語講師の傍ら、翻訳・通訳の仕事を手がけるようになり、’80年に設立したロシア語通訳協会の初代事務局長に。’95年から’97年、’03年から’06年会長に就任。来日するほとんどのロシア要人の通訳を務める。’92年に同時通訳で報道の速報性に貢献したとして、日本女性放送者懇談会SJ賞を受賞。著書『不実な美女か貞淑な醜女か』(徳間書店・新潮文庫)で読売文学賞を受賞、『魔女の1ダース 正義と常識に冷や水を浴びせる13章』(読売新聞社・新潮文庫)で講談社エッセイ賞受賞、『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(角川書店)で大宅壮一ノンフィクション賞受賞。『オリガ・モリソヴナの反語法』(集英社)でBunkamuraドゥマゴ文学賞受賞。2006年5月25日、がんのため鎌倉の自宅にて死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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