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光文社文庫
他諺の空似―ことわざ人類学

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  • サイズ 文庫判/ページ数 312p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784334745967
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

「目糞鼻糞を笑う」という諺は、ロシアでは「屑が埃を笑う」、アフリカでは「猿の尻笑い」…と世界中に似たような諺は多い。舌鋒鋭かった名エッセイストの遺作が待望の文庫化。歴史も地理的気候的条件も、文化も全く異なるところで、同じ文句が同じ意味に使われている。世界の国々での諺の使い方を紹介しながら政治を風刺。まさに米原ワールド炸裂。

目次

1 二〇〇三(「医者の不養生」;「寄らば大樹の陰」;「馬鹿と鋏は使いよう」;「蛇の道は蛇」;「早いが勝ち」;「少年老易学難成」;「悪女の深情け」;「大山鳴動して鼠一匹」;「朱に交われば赤くなる」;「天は自ら助くる者を助く」)
2 二〇〇四(「鶏口となるも牛後となるなかれ」;「甘い言葉には裏がある」;「能ある鷹は爪を隠す」;「蟹は甲に似せて穴を掘る」;「内弁慶」;「自業自得」;「頭隠して尻隠さず」;「覆水盆に返らず」;「目糞鼻糞を笑う」)
3 二〇〇五‐二〇〇六(「嘘つきは泥棒のはじまり」;「火事場泥棒」;「一事が万事」;「後の祭り」;「割れ鍋に綴じ蓋」;「禍福は糾える縄のごとし」;「飼い犬に手を噛まれる」;「隣の花は赤い」;「安物買いの銭失い」;「終わりよければ全てよし」)

著者等紹介

米原万里[ヨネハラマリ]
作家。1950年、東京生まれ。小3のとき両親とともに渡欧、’59年から’64年まで在プラハ・ソビエト学校に学ぶ。帰国後、東京外国語大学ロシア語学科卒業、東京大学大学院露語露文学修士課程修了。ロシア語講師の傍ら、翻訳・通訳の仕事を手がけるようになり、’80年に設立したロシア語通訳協会の初代事務局長に。’95年から’97年、’03年から’06年会長に就任。来日するほとんどのロシア要人の通訳を務める。’92年に同時通訳で報道の速報性に貢献したとして、日本女性放送者懇談会SJ賞を受賞。著書『不実な美女か貞淑な醜女か』(徳間書店・新潮文庫)で読売文学賞を受賞、『魔女の1ダース 正義と常識に冷や水を浴びせる13章』(読売新聞社・新潮文庫)で講談社エッセイ賞受賞、『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(角川書店)で大宅壮一ノンフィクション賞受賞。『オリガ・モリソヴナの反語法』(集英社)でBunkamuraドゥマゴ文学賞受賞。2006年5月25日、がんのため鎌倉の自宅にて死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ふみ

48
再読。期せずして現代史の復習になってしまった。著者の死後の出版←多分とあって、最盛期の輝きは見られないのだが、つくづく惜しい人をなくした、と思う。もっともっと読みたかったな、と思う文筆家の一人2015/01/22

Porlock Gardens

4
やっぱりすごいな、この人。ご存命なら、現在のこの状況をどう見るか、知りたかった。米国一辺倒の日本にあって、独特のバックグランド・視点を持ち、ばんばん不都合な真実を面白く暴いてくれるという人、もういなくなってしまったのかもしれない。2014/07/27

ギルヲ

3
ヴォルガ湖畔のフィン族の諺とか私はその民族の存在も知りませんでしたが、それくらい世界中の諺を集めてその類似性でもって人間の営みの普遍性を語る。とか言うと小難しそうですが、下ネタ気味の小咄から入るスタイルなので笑いながら読めます。ブッシュー小泉政権の批判等政治的なコメントが多いのでその辺は好みが分かれるかもですが、存命なら今の日本をどう見るのだろうと思わせるのはさすが。巻末の養老孟司さんの解説も素晴らしい。 2019/08/06

tbtmtk

3
どうやってこんなに世界中からありとあらゆる諺を集めたんだろう、と先ずもって感心することしきりだが、加えて舌鋒鋭く政治や国際情勢を論じていく様はただただ圧巻。 解説で養老孟司さんが言われるように、米原さんの跡を継ぐ頼もしい若者がもっと出てきてくれないかなぁ、と今更手遅れな我が身は思う。2015/07/11

みー

3
「医者の不養生」から始まる章立てと、闘病虚しく生涯最後のエッセイとなった「終わりよければ全てよし」には不思議な呼応がある。無像の諺たちが国境を跨いで小気味良く集結する様は壮観。深い教養に裏打ちされた著者が語ると、何気ない諺や故事成語が人生譚に満ち説得力を持って伝わる。2015/03/17

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