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光文社文庫
エンデの島

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  • サイズ 文庫判/ページ数 327p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784334745738
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

「パンを買う金と、株に投機する金は違うはずだ」―作家の門倉が、雑誌の取材のために訪れた伊豆諸島の奥ノ霧島は、ミヒャエル・エンデのこの言葉を具現化した、まさに理想の島だった。コミュニティの信頼関係を醸成する地域通貨、善意のボランティアに支えられた議会や病院。紀行文のスタイルで、人間の真の幸福と、この国の目指すべき未来を描いた、愛の経済小説。

著者等紹介

高任和夫[タカトウカズオ]
1946年宮城県生まれ。東北大学法学部を卒業後、三井物産に入社。審査畑を歩みつづけるかたわら、作品を発表。’96年に、依願退職。以後、作家活動に専念する。企業、組織に対する厳しさと、人の弱さに対する温かさを併せ持った視線は、経済企業小説のジャンルを超えた著者独自の作品世界をつくっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Walhalla

34
『パンを買う代金としてのお金と、株式取引所で扱われる資本としてのお金は、まったく異なった種類のお金である』。 著者の高任和夫さんは経済小説のイメージが強いですが、この作品では、紀行文風な描写で現在の貨幣システムの問題を提起されていました。伊豆諸島の架空の島を舞台に、独立国家のようなコミュニティでの暮らしぶりを描きながら、経済の真の目的を唱えているようで興味深かったです。あと、この作品を通じてミヒャエル・エンデ氏を知ることができたのも良かったです。2022/01/28

まつうら

29
東京は住みづらいとか、サラリーマン人生には未来がないとか、のっけからこんな話題ばかり繰り返しているので、なんだよウザったい、うるさいんだよと思いながら読み進めた。ところが、東京を離れて奥ノ霧島に向かうと様相が一変する。ここはかつて、源為朝や平将門が目指した理想郷。新しい金融システムのもとで、島民の共存共栄を目指すリーダーたちと地域社会がある。だれもが住んでみたいと思う竜宮城がある。いまの資本主義経済に少なからず疑問を持っているならば、まず手に取ってみることをおすすめしたい作品だ。2022/05/19

くらーく

3
かつて「エンデの遺言」を読んだことがあり、そんな考えもあるんだな、と驚いたことがあった。今回、高任氏の小説を読んだが、まあ、理想的にはね。こんな島で老後を過ごしたいなあ、という気もするけど、趣味が無い人にとっては、どこでも同じかなと言う気も。 結果的には、かつての経営者の大規模なリアルマネーがあって、それを基に地元通貨が営まれているようだし、そうそう理想のようにはいかないのかもしれない。現実的には、資産が増大しているのだから、資産税は検討に値するだろうな。 ただねえ、生きがいの問題は、もっと大きいよ。2019/05/25

yumiko

3
夫に勧められて経済小説なる物を初めて読んだ。読みにくいと思いきや意外とスラスラ読めた。自給自足ができていて島民みんなが協力しあって幸せに生活しているという夢のようなお話。こういう生活も慣れるとつまらなくなってしまうのだろうな。2017/04/12

masabox

2
2011/07/21の少し前に読了2011/07/21

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